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「ガキ帝国」 [映画-雑記]

先日松本竜助氏が亡くなった。実は竜介から竜助に改名したことはテレビの訃報で初めて知った。最近は表舞台に出ることは無く、いくら紳助がいろんな番組に出まくっていようと、そこから竜助を連想することはなく、すっかり忘れていた存在だった。

そして、突然倒れたという事がテレビで報道され、僕は紳助竜介の漫才でもうなずきトリオでもなく、最初に思い出したのが「ガキ帝国」のチャボだった。

「ガキ帝国」を観たのは1981年7月7日(七夕だ!)、渋谷の代々木体育館前の小さな神社の境内に建てられたシネマプラセットという銀色の丸いテントだったと記憶している(間違ってるかも)。平日の昼で客は10人程度というお寒い状況だったが映画は熱かった! 同じ井筒監督の「パッチギ」どころではない熱さで、全編ケンカ、ケンカのオンパレードでロマンスなんて甘っちょろいものは無い不良映画だった。

1967年の大阪を舞台に幾つもの不良グループが在日朝鮮人の不良グループも加えて縄張り争いを繰りひろげるのだが、リュウ(紳助)・チャボ(竜介)に在日のケン(趙方豪)を加えた3人はどのグループにも属さず気ままに生きているのだが、やがて抗争に巻き込まれていき、最後にはチャボの死で幕を閉じる。

竜介が演じたチャボはからっきし弱いのだが、他の2人がメチャメチャ強いので、その後ろでイキがっている情けない不良で、なぜか3人の中で唯一ちゃっかり彼女がいたりする憎めない男の役で、何か実生活とだぶるような感じがリアルだった。映画全体でも一番印象に残る役で、当時の評価も一番高かった。その後同じ井筒監督の「2代目はクリスチャン」にも再度呼ばれている事からも評価が分かる。

竜助の死後、紳助が「漫才が下手で…」というようなコメントをしていたが、この「ガキ帝国」は竜助が紳助にただ1度勝てた仕事ではなかっただろうか。 僕は当時の記録を見ると1981年に観た日本映画のベスト1にこの映画を挙げている(ちなみに2位は森田芳光の「の・ようなもの」)。というような事を書いていたら25年ぶりにこの映画が観たくなった。映画の中には若く元気だった竜助が永遠に輝いているはずだ。 合掌。 ガキ帝国

 

 

 

 


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