25年ぶりの「ガキ帝国」&「パッチギ!」 [映画-DVD]
松本竜助氏が亡くなった時に「ガキ帝国」についての記事を書いた。そこに同映画のDVDのアフェリエイトをつけたのだが、結局自分でも観たくなって購入した。
さすがに25年ぶりなのでだいぶ記憶違いしているところがあり、前回の記事では松本竜介演じるチャボだけGFがいると書いたが、これは間違っていた。チャボには彼女はいなかった。主人公3人組にマスコットガール的な存在の女の子がいて、彼女をチャボの彼女と勘違いしていたのだ。
それにしても25年ぶりということもあるが新鮮な衝撃である。この映画と比べたら同じ井筒和幸監督作品の「パッチギ!」は随分洗練された作品だ。その位「ガキ帝国」は飾り気の無いストレートな作品である。昨年劇場で「パッチギ!」を観た時にも感じたのだが、この2本は共通点が多い。まず時代背景だが、「ガキ帝国」は1967年の大阪、「パッチギ!」は1968年の京都。その差僅か1年であり、同じ時代と言っていいだろう。やはりその時代の空気感は25年前に作られた「ガキ帝国」に軍配が上がる。何と言っても人間の顔が違う。「パッチギ!」の役者の顔はすっきりとした今風である。それに比べたら「ガキ帝国」のごつい事! しかも皆顔デカい。これぞ昭和の人間の顔である。風景も「ガキ帝国」の方が無理なく汚い。
一番の共通点はキャラクター設定だろう。「ガキ帝国」の3人組は、そのまま「パッチギ!」の在日朝鮮人3人組に移行したかのようだ。
「ガキ帝国」 「パッチギ!」
リュウ(島田紳助) →アンソン(高岡蒼佑) …3人の中では一番強い
チャボ(松本竜介) →チェドキ(尾上寛之) …金魚のフン どちらも死ぬ
ケン(趙 方豪) →バンホー(波岡一喜) …方豪=バンホー(偶然ではないでしょう)
という構図が成り立つ。「パッチギ!」ではこの3人組を主役にせず、一般的な優しい男の子(塩谷瞬)を主役にしてラブストーリー仕立てにしたことで大勢の観客(特に女性客)が感情移入しやすく、観やすくなったからこそヒット作になり、多くの映画賞にも輝いたのだろう。確かに「パッチギ!」の方が映画的な完成度は高いと思うが、思い入れは「ガキ帝国」の方が深い。どちらが好きかと聞かれたら僕は「ガキ帝国」と答えるだろう。
「ガキ帝国」DVD特典のキャスト&スタッフ紹介でケンを演じた趙方豪氏も既に亡くなっている事を始めて知った。もうチャボもケンもいないのだ。最近の紳助にリュウの面影はなく、「ガキ帝国」から25年、随分昔の映画になってしまったと淋しさを感じた。
「パッチギ!」好きな人には是非「ガキ帝国」も観てもらいたい!
波岡君も感じでてますね?
by アンソン (2006-05-11 23:39)
アンソンさん、どうもありがとうございます。マウスで描いているので限界があり、これが精一杯です。
by 丹下段平 (2006-05-12 00:27)