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「日本一の色男」 [映画-DVD]

日本一の色男C調無責任を売りにして人気者となり、『ニッポン無責任時代』に始まった植木等主演の東宝映画シリーズの一本である。これまで幾つかは観ていたが、この映画はDVDで始めて観た。

基本的にどの作品もパターンは似ている。植木等演じる主人公(名前は○○等。苗字は作品によって異なる。当作品では光等。モテるので光源氏のイメージ)が会社で成り上がっていく話。多くの作品で共通することだが、とにかく超モーレツ社員で、決して『釣りバカ日誌』のようないい加減な仕事ぶりではなく、素晴らしく有能なセールスマンであるので、会社としてはかなり有難い存在であろう。この作品でも大口の注文をバンバン取ってくるのだ。

じゃあどこがC調で無責任なんだと思われるかもしれないが、化粧品のセールスマンなので売り込み先は女性。とにかくモテるため、その気にさせて、時には口先だけで婚約する約束をしたりして注文を取る。本人にはしっかり彼女(藤山陽子)がいるのだが、最後にはどんでん返しが…。

それにしてもこの映画、冒頭からいきなり植木ワールドが炸裂する。ある女子高の卒業式、しめやかに蛍の光を合唱していると、突然メロディーが変わりピアノを弾いていた植木等があろうことかへんてこな歌を唄い始め、挙句の果ては壇上に上って踊り始める。ここなんかちょっとマルクスブラザースっぽいのだが、もうハチャメチャである。即刻クビ(今までよくクビになってなかったよな)となり化粧品会社に再就職。会社一のセールスマン(団令子)に取り入り、困難な相手(京塚昌子)からバンバン注文を取り、営業成績はトップになり金もバンバン貯まっていく。もうトントン拍子の極み。バイタリティーの塊である。

ストーリーの合間に植木等の歌が挿入されるのだが、これがまた楽しい。特に突然国立競技場のスタンドで唄い踊る「どうしてこんなにもてるんだろう」は秀逸。この時代の娯楽作品はこのようにストーリーから独立して歌のコーナーがある映画が多いのだが、まだテレビよりも映画の方が一般的で、歌番組の役割は映画が担っていたのかもしれない。一時期ストーリーの途中で急にミュージカルになるインド映画が話題になった事があったが、日本映画はずっと前に既にやっていた。

とにかく観れば元気が出る映画。まだ植木等の主演作を観た事無い人は一度観てほしい。きっと植木ワールドにはまるはず。

 


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