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夏といえば寅さんだった頃③ [映画-雑記]

(①、②ときて、その次なので③です。できましたら①から順番にお読みください

1996年8月4日、渥美清氏があの世に旅立つと同時に、全48作というギネスにも載った長いシリーズは幕を下ろした。それから2年後にはタコ社長こと太宰久雄氏も後を追うように亡くなっている。正月と夏の映画館から寅さんは消えてしまった。

夏になったら鳴きながら、必ず帰って来るあのツバクロさえも、

何かを境にぱったり姿を見せなくなる事だってあるんだぜ。

今では身に染みる台詞だ。もう寅さんの新作を観られる事は無い。永遠に。

最終話に近い作品のラストにこんな場面があった。寅さんが公衆電話からさくらに電話しているシーンなのだが、

さくら、家族ってやつはよォ、家族ってやつはよォ…

という台詞の途中で硬貨が無くなり、電話は切れてしまう。寅さんがさくらに言い損ねた台詞こそ、このシリーズのテーマではなかったのか。結局その先を言う事無く寅さんはいなくなってしまった。もっとも山田洋次監督もその先を言わせるつもりは無かっただろうけど。

タコ社長の娘、あけみ(美保純)がつぶやく、

あ~ぁ、寅さん帰って来ないかなぁ~

僕も今、同じ気持ちだ。

(おしまい)


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