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夏といえばチャンピオン祭り  「海底軍艦」 [映画-DVD]

海底軍艦 [DVD]夏といえば寅さんという記事を書いたばかりだが、夏といえばチャンピオン祭りとも思ったので、東宝の特撮映画を観ることにした。

やはり王道はゴジラシリーズかと思ったものの、あまり観る気がしなかったので、小さい時テレビで観たのだが、どんな映画かまったく思い出せず、また面白かったという記憶もなく、むしろ退屈だった印象の『海底軍艦』を観てみようと思い立ち、DVDを購入した。

いや、いや、これが面白かった! 円谷英二による特撮も素晴らしい出来で、子供の頃観た記憶なんてあてにならない事が改めて分かった。何せ海底軍艦が凄くカッコイイ。その代わり出てくる怪獣のマンダは竜そのもので、これはいささか情けない。この部分が子供受けしなかったのだろう。だから記憶に残ってなかったのだ。子供の一番の期待は怪獣だったのだからしょうがない。

ストーリーは嘗て海底に沈んだムウ帝国が地上に戻るべく人類に攻撃を仕掛ける。一方、第二次世界大戦時に海軍から離れて新兵器を開発しようとした一派がおり、ついにその兵器の海底軍艦を完成させる。しかし戦後20年経っており、日本は戦争放棄の法律が制定されており、それを受け入れられないこの一派は、嘗ての上官の説得にも耳を貸さず、これでアメリカと戦うことを諦めきれない。そんな中、ムー帝国の攻撃は激しさを増し、東京は火の海と化す。リーダーである神宮寺少佐の娘(藤山陽子)と恋人(?)であるカメラマン(高島忠夫)はムウ帝国に囚われの身となってしまい、スパイによって海底軍艦の基地も爆破されてしまう。そして遂に神宮寺少佐(田崎潤)は海底軍艦を人類のために使う決意をする…(この後はぜひご覧ください)。

この映画の人間ドラマはかなり面白く、海軍の残党の事などすっかり忘れていたのだが、子供にはなかなか理解できなかったというのが真相なのだろう。この映画は本来は子供向けに作られたのではないのだ。作られた1963年にリアルタイムで観た人は、この海軍の残党は案外リアルに感じられたのではないだろうか。海底軍艦は大袈裟にしても、戦後急速に復旧したにせよ、まだ20年も過ぎていない日本に、神宮寺のような考えの人間はきっといただろうし、戦争の影響は残っていたはずである。南の島で旧日本軍の横井さんが見つかったのは、この映画よりずっと後の出来事である。神宮寺のような人間はいてもおかしくなかったのだ。

一方ムウ帝国は東宝定番の変てこな南方人という感じで、相変わらず変な踊りも披露する。この一見原始的な民族が驚異的な技術を持っていて、人類を恐怖に陥れるのだが、それはちょっとリアリティが感じられない。しかし本多猪四郎監督の手腕でそれすら欠点と感じられず、最後まで緊張感を保っているのは見事としか言いようが無い。

とにかくお薦め!

 


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コメント 3

アートフル ドジャー

東宝の特撮、東映の漫画まつり、寅さん、季節を感じさせる風物詩少なくなって・・・。日本には旬ってものが本当になくなるつつありますね~。アン・フィニシュッド・・ですが個人的には・・?でした彼が撮らなくても?ん~。本来の彼の持ち味を発揮出来る作品で・・したいものであります。
by アートフル ドジャー (2006-08-01 09:29) 

bamboosora

今もいろいろな特撮監督がいますが、やはり円谷英二にはかないませんね。
元々、カメラマン出身だけあってか、ワンカット、ワンカット、構図にもこだわりが
あり、ほとんど芸術の域ですよね。 さすが!特撮の神様です。

ところで、最近の「夏と言えば」は何でしょうねェ。
ポケモンの劇場版ぐらいでしょうかねェ。
by bamboosora (2009-11-20 20:12) 

丹下段平

技術的な向上は当然ありますが、円谷英二特技監督のセンスは素晴らしかったと思います。

夏といえば…今は思いつきませんよねぇ。
by 丹下段平 (2009-11-21 19:43) 

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