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「虹の女神 Rainbow Song」 [映画(2006)]

学生時代、8ミリ映画を作っていた。だから、この『虹の女神 Rainbow Song』(熊澤尚人監督)の予告編を観た時から気になっていた。―大学映研の話―僕は大学の映研を1ヶ月で辞めた。入ってみたらただの飲み会サークルだったからだ。それにメンバーに可愛い女の子がいなかったのも大きかったかもしれない。

そのサークルに、この映画の上野樹里を冴えなくした感じの女の子がいた。化粧っ気ゼロ、ファッションセンスゼロ、キューブリックを愛し、日本映画を嫌い(ATGを除く)、彼氏はおらず添い寝するのは一升瓶。赤に白い2本線が入ったジャージにどてらを羽織った姿がよく似合った、地方から上京して来た文学少女崩れの女の子。

この映画の予告編を観た時、上野樹里にそんな彼女の面影が垣間見えたので、公開されたら絶対に観ようと思っていた。予告編に8ミリカメラ(ZC1000)が映っていたので、昔の自主映画全盛の時代が舞台なのかと思っていたのだが、舞台は現代であった。上野樹里演ずる佐藤あおいはフイルムで撮る事に拘りがあるため、ネットオークションで手に入れた8ミリカメラの最高峰(機能的な面で)であるZC1000で映画を作っていたのだ。

僕のような貧乏学生にはZC1000は手の届かないアイテムだった。ただZCはフジフイルムのカメラだったため、フイルムは当然、フジフイルム独自のシングル8であり、僕は色の良さで格段の差があったコダックのスーパー8派だったので、ZCは最初から欲しいとは思わなかった。しかし、この映画の佐藤あおいはシングル8のカートリッジにスーパー8のフイルムを入れ替えるという裏技で撮影しているのには参った。そんな発想は当時の自分には全く無かった。それでもキャノンの素晴らしいレンズが魅力の1014XLにスーパー8の組み合わせが最強じゃないかと今でも思うのだが。

この映画をそんな自分と重ね合わせて観ていた。ほろ苦い青春ドラマとして楽しめ、恐らく8ミリ映画を作った経験が無くても感動できる作品になっていると思う。映研じゃなく、演劇でも合唱でもサークル活動をした人なら自身を重ね合わせて観られる映画になっている。

それにしても、ジャージにどてら姿の彼女は、今どうしているんだろう…(会いたかないけど)。


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コメント 2

えい

こんにちは。

この映画は、かつて8mmを撮っていた者の心を
かなりかきむしってくれますよね。
劇中劇も、いかにもって感じだし。
ちなみにぼくはキャノン518SVでした。
by えい (2006-11-06 10:03) 

丹下段平

コメントありがとうございました。
やっぱりキャノンですよね。機能的にはフジに劣りましたが、あの美しい色はコダクローム40×キャノンのレンズしかありえない。
とまぁ、この映画はこんな会話ばかりじゃ付いて来れない人が多いから、マニアックになり過ぎないように出来てますね。それで正解でしょう。
by 丹下段平 (2006-11-06 22:32) 

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