「デート・ウィズ・ドリュー」 [映画(2006)]
「30日間でドリュー・バリモアとデートを実現する」だけのために撮られた映画。普通ドキュメンタリーって「社会を告発する」とか「厳しい現実を見つめる」など、いわゆる問題作となるケースが多い。マイケル・ムーアの映画などはその典型。でもこの作品はそんな志の高さなんてかけらも無く、ただ自分の私利私欲のためだけに作られたゆる~いドキュメンタリー。
この映画の監督兼主役のブライアン・ハースリンガーは6歳の時に『E.T. 』を観て以来、ドリュー・バリモアの大ファン。そんなブライアン君は現在失業中で生活は苦しいが、テレビのクイズ番組に出場し、見事1,100ドルをゲット。その時の最終問題の答えが何と「ドリュー・バリモア」。運命的なものを感じたブライアン君は、賞金を生活費の足しにするのではなく、全額を投じて映画を創る事を決意。内容は大ファンのドリュー・バリモアとデートするまでの自分の姿を追ったドキュメンタリー。早速量販店に行き、ビデオカメラをおためし期間の30日間借りることにした。かくして映画の撮影スタートと同時にカメラ返却までの30日間というタイムリミットも決まった。
…てな感じで、この映画を創った動機なんかこの程度である。殆どシロートのお遊び感覚に近い。しかしブライアン君は大学で映画を専攻しており、失業中とはいえ一応マスコミ業界の人(はしくれ程度?)なので、単なるシロートの作品ではなく、実に計算されたしたたかさを感じる。また、このブライアン君のキャラが、愛嬌のあるへらへらした感じで憎めない印象なのもイイ。
カメラを手にしたブライアン君、何を思ったかいきなり街頭の人をつかまえて「僕、ドリュー・バリモアとデートしたいんだけど、どう思う?」と無意味なインタビューを始める。でもそのインタビューされた人達の反応がいかにもアメリカ人っぽくて面白い。殆どの人が「きっと上手くいくと思うよ」とか「あなたはドリューのタイプな顔してるから成功するわ」とか、実に前向きなコメントが返ってくる。まぁ、いい加減に答えている節があるがポジティブな意見である。日本人なら「無理に決まってるだろ」とか「バカバカしい」とか言われるところだろう。
このインタビューを皮切りに、ドリューの関係者のコネを探っていったり、彼女の行きつけのエステの店へ行ったり、たるんだ体を来る日のために引き締めるべくジムへ行ったり、オーディションでドリュー似の女の子を選び、彼女相手にデートの予行練習をしたりと、バカバカしくも涙ぐましくない努力を重ね、25日目にはチャイニーズシアターで行われた『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』のプレミア後のパーティに偽造のパスで潜入。果たして彼はドリューに近づけるのか、そしてデートに誘えるのか!?
と、まぁ、全編こんな調子の軽~いドキュメンタリーである。できればこの映画、「バッカだね~」とか「くっだらねぇな~」とか茶々を入れつつ観たかった。それがこの映画に関しては正しい鑑賞方法に思える。もちろんこれがアメリカの映画館ならできただろうが、所詮日本の映画館だからねぇ…。
僕の場合書籍も映画も一応こんな作品でも目を通します。何て言うか馬鹿馬鹿し過ぎて逆に面白い!みたいなの割と好き!です。逆に馬鹿に徹しきれない中途半端な作品よりも観るべき所が必ずあったりしますよね。
by アートフル ドジャー (2006-12-22 22:59)
こんな内容でも1時間半、全然退屈させないというのはセンスある証拠ですね。1,100ドルで30日間の撮影日数ということになっていますが、行き当たりばったりのふりして実は計算高く作られ、予算や日数も本当は…という気がします。強くお薦めしませんが、息抜きにいいかもしれません。
by 丹下段平 (2006-12-23 01:44)
こんにちは。TB失礼します。
本作、面白そうだと思って観たんですが、私、このブライアンの顔がも~しわけ無いんですが苦手だったのです↓
コンセプトや流れは良かっただけに…残念↓
by ももも (2007-07-23 12:01)
もももさん、ブライアン君の顔ダメでしたかぁ~。
僕は愛嬌があっていい(ハンサムって意味じゃないです)と思ったんですがねぇ。やっぱり同姓の目と異性の目は違うんでしょうかね。
by 丹下段平 (2007-07-24 01:05)