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「幸福な食卓」 [映画(2007)]

映画1000円デーだったので、取りあえず何か観てみようということで出掛けたシネコン。タイミングが良かったのがこの映画。全く予備知識が無いまま座席に着いた。

いきなり兄、妹の前で父が「父さんは今日で父さんを辞める」宣言をするところから映画が始まる。「さよなら」の女たち あれ?これって観たことあるなぁ、と感じたが、当然この映画を観るのは初めてだし、原作も読んでいない。じゃぁ、過去にこんな映画があったのではと考えてみたら直ぐに閃いた。斉藤由貴主演『「さよなら」の女たち』。間違いじゃなければ、確か映画の冒頭で伊武雅刀演じる父が「父さんを辞める」宣言して教師を辞めて歌手になる話だったと記憶している(間違ってなければね)。

そんな余計なことを考えている内に、映画は中3の主人公(北乃きい)のクラスに転校生(勝地涼)が来て、彼女の隣の席に座ることになってと、昔の少女マンガ的な展開。2人並ぶと明らかに男の方が年上にしか見えず、またまたミスキャストとか思ってしまう。演技云々という以前に、どう見ても中3とは思えないのは痛い。

主人公の家族は父さんを辞めた父、秀才だったのに大学には行かず農業を始めた兄との3人暮らし。母は別居中で近くのアパートに一人で住んでいる。この家族の話と転校して来た男の子と主人公との恋物語の2つを中心に映画は進んでいくのだが…

なんで?

と思ってしまう箇所が多々あるので困った。先ずキャスティング。先程の転校生に加えて、この兄役がどうしても農業をやってるようには見えない。逆にそれが狙いでもあるのかも知れないが、月日が流れても全く逞しくなっていくでもなく、最後までモデル風のヤサ男のまま。土をいじってるリアリティが全く無い。

設定も父が自殺未遂した過去があるのだが、今ひとつその理由が理解できず、母親が家を出て行ってしまった理由も曖昧な印象。

この映画を観ながら、僕は勝手に監督は今流行の女性だと思い込んでいた。男性の描き方に深みがなく、魅力的に映らなかったからだ。一方、女性は主役の北乃きいの淡々とした感じが微妙なニュアンスを含んでいる様に見え良かった。兄の恋人役のさくらもぶっきらぼうなんだけど実は、っていうのが良く出ており魅力的。往々にして女性が監督するとこのパターンになり易い。それは昔、僕の妹が買ってきた『少女マーガレット』や『少女フレンズ』を読みながら感じていた事を引きずっている。だから、この映画も女性監督だと決め付けてしまったのだが、最後のクレジットを観て驚いた。監督は小松隆志。男だった。原作者が女性なので、その影響が大きかったのか。

多々気になる点はあったが、主人公の北乃きいが良かったので、最後まで彼女に引っ張られて飽きずに観ることができた。本当に今の10代の女優は層が厚い。


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コメント 2

masala

こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
丹下さんがブログの中で書かれていましたが、確かに兄は農業をやっている様には見えませんね。どうも監督は男優には興味が無かったのかなぁ。
私の行った試写会には上映後に北乃きいさんの舞台挨拶がありました。
映画の中より少し成長したきいさんは、とっても可愛かったですよ。
また「masalaの辛口映画館」のご来館をお待ちしております。
by masala (2007-02-03 22:42) 

丹下段平

masalaさん、こんにちは。北乃きいは『ユビサキから世界へ』にも出てたらしいですけど、全く印象に残らなかった。僅かな期間でもこれくらいの年齢の子は変わってくるもんなのでしょうかね。
by 丹下段平 (2007-02-04 03:07) 

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