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「花のお江戸の無責任」 [映画-DVD]

花のお江戸の無責任去る3月27日に亡くなった植木等さんの映画が観たくなって、何か未だ観てないものは…とDVDを量販店で探していたら見つけたのがこの『花のお江戸の無責任』。監督は何と(?)山本嘉次郎。東宝娯楽作品の大御所であるが、黒澤明の師匠としての方が有名な監督である。こりゃ異色作だと興味を持ち即決して購入した。

とにかく元気な植木等氏が観たかった。バイタリティの塊のような印象が強かったので、イメージ通りの植木さんであってほしかった。晩年はちょっと静かな雰囲気で、それを淋しく思っていたので、この映画では炸裂していてほしかった。

しかし、監督が変わり、とてもがっちりとした安心して観られる娯楽作品になった分、植木氏の異常なまでのハイテンションは観られない。普通に楽しめる映画ではあるが、キャラクターを活かしきっているとは言い切れないのが痛し痒し。逆に言えば、この頃の植木等さんでも普通の映画の主役が務まったということが分る作品になっている。

ストーリーは、父の敵を探して江戸にやって来た助六(植木)が、道中知り合った権八(谷敬)とともに侠客の幡随院(ハナ肇)に拾われ、吉原を舞台に大暴れしながら敵討ちをするというお話。当然(?)助六は吉原の遊女(団令子ら)にモテまくる。その辺は植木氏主演映画のお約束を守っている。監督はこの手のライトコメディはお手のものであり、安定感がある演出ぶり。その分破綻寸前の凄みはない。そこまで要求するのは酷であろうか。

クレイジー映画の中では、あまり語られることの少ない映画ではあるが、これぞ東宝娯楽作品といった趣のある一本になっている。

何はともあれ、植木等さんが亡くなって淋しい。合掌。

↑ 実は以前の記事『日本一の色男』の時につけたイラストの使い回しです。よろしかったらそちらの記事もご覧ください。 


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アートフル ドジャー

無責任シリーズ等を見てると、大量製作の邦画の時代でも良く出来てるな~って感心する事、しばしば。現代のCGと比較して本物の画が存在してる事に改めて気がつく。
by アートフル ドジャー (2007-05-08 15:54) 

丹下段平

アートさんのご指摘の通り、本当にそう思います。どんな作品でもとりあえずは最低限の水準は保っています。
CGもだんだん手軽になってきた現代、それを活かす方向ではなく、誤魔化しに使われている傾向になってきました。これまたアートさんの仰る通りで、CGに逃げない画面創りを真剣に考えないと、邦画バブルもすぐ終息してしまうでしょう。
by 丹下段平 (2007-05-08 23:16) 

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