「パンズ・ラビリンス」 [映画(2007)]
1944年、スペインはファシズム政権下にあり、一部の抵抗勢力はゲリラ化して政府軍と戦闘状況にあった。そんな中、身重の母に連れられて童話好きな少女オフェリアは母の再婚相手であるビダル大尉のいる駐屯地に向かっていた。その道すがらオフェリアはナナフシの姿をした妖精に出逢う。
2人を迎えたビダル大尉は冷酷で残忍な性格で、まさに抵抗勢力を一掃するにはうってつけの人物であった。オフェリアはそんなビダル大尉を好きにはなれなかった。オフェリアは到着した夜、妖精に導かれ地下にある魔法の王国の入口に辿り着く。そこで彼女を待っていたのはヤギのようなパンであった。そしてパンからオフェリアこそその国の王女であると告げられる。しかし、魔法の国に帰るためには3つの試練を乗り越えなければならないと教えられる。
その試練に立ち向かうオフェリアであったが、現実社会も厳しさを増していき、反政府軍の抵抗も激しくなっていく。一方、身重の母の容態が悪くなってしまい…という物語。
この映画をジャンル分けするならばファンタジーということになるのだろうが、夢や希望といった甘いものは一切無く、かなりビターなテイストになっている。残酷な描写もあり、大人をターゲットにした作品に仕上がっている。内戦の過酷さ、義理の父となるビダル大尉との軋轢など、現実世界はオフェリアにとってかなり過酷なものになっている。この現実社会の描写が映画全体のかなりの部分となっており、魔法の国に帰るための試練は並行するもう一本の柱になっている。そして最後はその2つがクロスする構成になっている。
重苦しく暗いトーンのこの映画に明るい光が射すことはない。オフェリアには現実世界もファンタジーの世界も過酷な試練を課す。彼女は勇気、忍耐、優しさが試される。その行き着く先は…。
この『パンズ・ラビリンス』の感想は一言で表せる。
一級品
これに尽きる。少しハードな迷宮に彷徨う経験は苦くも魅力的。メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督の独特な美学に酔う約2時間。
必見!
そっれでは観ないといけませんね~。
by アートフル ドジャー (2007-10-23 09:43)
おじゃましまーす。
この映画、初めは見ようと思っていたのですが、ブログ仲間の感想を
読んでいると、かなり怖そうだなあと思って、躊躇しました。でも
丹下段平さんのレビューを読むとやっぱり観たいなーと・・・・・。
時間の都合がつけば行きたいと思います。
by coco030705 (2007-10-23 21:31)
アートさん、こんにちは。
これは観る価値あると思いますよ。上映してる劇場が少ないのが玉に瑕ですが。
by 丹下段平 (2007-10-23 23:45)
ココさん、どうもありがとう。
確かに監督がホラー創ってた人なので、エグイ場面もありますが、それを補って余りある作品になっていると思いますよ。
by 丹下段平 (2007-10-23 23:47)
この映画、私も前から見たくてやっと観てきました。
鑑賞中、ずっと怖かったんですがラストで涙が止まりませんでした。
私の中では今年一番の作品、かも。
by キキ (2007-10-27 23:59)
キキさん今晩は。
この映画、素晴らしかったですよね。涙が止まらないということはありませんでしたが、深い味わいのあるラストでした。
by 丹下段平 (2007-10-28 01:58)
こんにちは。TB失礼します。
37週に入ってからの映画館はかなりつらかったですが、「どーーしても観たい」が先行し行ってきました。やーやっぱり良い映画でした。
イラストの怪物ヘイズマンと守護神パンは同一人物が演技していると聞きおっどろき。キャラにしても物語にしてもまさに一級品でしたね。
またお邪魔します。
by ももも (2007-11-05 13:47)
もももさん、あまり無理しないほうがよろしいかと思います。
ヘイズマンとパンはダグ・ジョーンズって役者ですね。何だか怪物の役ばっかりやってる人みたいですね。まさにもももさん向きの人?
by 丹下段平 (2007-11-05 23:05)
こんにちは。
やっと見ることができました。TBさせていただきますね。
by coco030705 (2008-02-05 17:12)
ココさん、こんにちは。
良かったでしょ?
by 丹下段平 (2008-02-06 02:18)