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「ヘアスプレー」 [映画(2007)]

1987年に創られたジョン・ウォーターズ監督によるオリジナル版を観ていたので、懐かしさ殆どでこのリメイク版も観たくなった。

…と、サラリと(?)書いてみたが、いったいこれを観た人が日本にどの位いるのだろうか。上の写真はそのパンフと前売りの半券。いかに配給会社がこの映画に金をかけなかったかが分ると思うが、公開も関東地区では渋谷パルコの中にあった劇場一館だけだったと記憶している。

何が言いたいのかといえば、要するにこんな扱いで観た人も相当少ないだろう『ヘアスプレー』を

懐かしがれる俺って凄くない?

と、ちょっと自慢したかっただけなのだ。

でも悲しいかな映画の内容についての記憶がかなり曖昧になっていた。デブの主人公の女の子がダンスのテレビ番組に出て人気者になって、おまけにかっこいい彼氏(リメイク版はザック・エフロン)まで出来てしまう、という程度しか覚えていない(大雑把に言えばその通りなのだが)。ただ面白かったと思った記憶だけは鮮明で、サントラCDまで買ってしまったくらいだ。尤もそのCDは2度の引越しで、今はどこにしまったのか行方不明なのだが。

前作で母親役だったのが、ジョン・ウォータズ監督作品には欠かせないアメリカの変態女形ディヴァイン(既に故人で『ヘアスプレーが遺作だったはず)。今回も母親役は男の(当たり前だが)ジョン・トラヴォルタが務める。ブロンディのデボラ・ハリーが演じた主人公のライバルの母親役はミシェル・ファイファー。この二人、結構顔立ち似てるじゃん、なんて思いながら鑑賞した。

…と、レビューを続けたかったが、どうしても記憶の片隅にある前作と今回の作品を比較して観てしまったため、多分僕の感想は全く参考にならないんじゃないか、と思えてきた。殆ど誰も観ていないような前作と比較したところで全く意味が無い。けど、僕にはジョン・ウォーターズ版の呪縛が解けず、そんな観方をしてしまっているので、他の人のブログを参考にしてほしい。

ここから先はほんの一握りの前作を観た人向け。

 

ジョン・ウォーターズ版はダンスの映画であったが、それがブロードウェイのミュージカルとなり、そしてまた映画に里帰り。そんな変遷の中で、良く言えば「洗練」、悪く言えば「活気不足」という印象を受けた。主人公の女の子はもっとおバカであり、もっとパワフルだった記憶がある。

だから今回の『ヘアスプレー』はちょっと物足りなさを感じてしまった。インディーズっぽい荒っぽさがボルチモアという中都市の下町が醸し出す猥雑な雰囲気にマッチしていたような気がする。だからこそマイノリティの描き方にリアリティが感じられたし、それを取り上げるのが自然に感じられた。今回の作品は行儀が良くなり優等生的な雰囲気になってしまい違和感があった。

とは言っても、どうも今回の『ヘアスプレー』は世間的な評判は上々な様子。前作を持ち出してそれに水を差すのも大人気ない。だから前作を観た人限定でちょっとグチってみたかったのだ。

ジョン・ウォーターズ版のDVD買っちゃおうかな!?


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キキ

こんにちは。
オリジナルご覧になってたんですね。オリジナルの方が面白かったですか?
by キキ (2007-11-11 10:45) 

丹下段平

何せ今から20年前の記憶なのであてにはならないのですが、もっと猥雑なパワーがあったのかな、って感じです。作品の完成度は恐らく今回の方が上でしょうけど、創り手の想いがどうしてもオリジナル版の方が強く出ますね。
by 丹下段平 (2007-11-11 11:12) 

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