「タロットカード殺人事件」 [映画(2007)]
ウディ・アレンがイギリスで撮った2作目が、この『タロットカード殺人事件』になるのだが、前作の『マッチポイント』を観ていないので、僕としては初めてのWアレン=ロンドン作品。正直、環境が変わり、映画の雰囲気もだいぶ変わったように思えたのは気のせいなのだろうか。それに音楽がジャズからクラシックに代わったのも一因なのだろうか。「郷に入れば郷に従え」ではないが、昔ながらのニューヨークを撮ってきたWアレン映画がヨーロピアンな雰囲気に様変わりしていたので面食らった。
ジャーナリスト志望のサンドラ・プランスキー(スカーレット・ヨハンソン)は夏休みを利用してロンドンの友人を訪れている。ある日、マジックショーを鑑賞中に、マジシャン(ウディ・アレン)に指名され、箱に入った人が消えるマジックの手伝いをすることとなった。箱に入ったサンドラの前に突然幽霊が現れる。彼は新聞記者のジョー・ストロンベルで、死後の国に行く途中でスクープを得てしまい、死神の目を盗んでこの世に戻って来たのだった。彼の特ダネとは、ロンドン中を震撼させている現場にタロットカードが置かれた連続殺人の犯人が、貴族階級の御曹司であるピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)であるということ。それを聞いたサンドラは頼りないマジシャンと共に証拠を挙げるためにピーター・ライモンに近づく。プールで溺れたふりをしてピーターに助けてもらったサンドラは早速彼に気に入られてパーティに招待される。マジシャンを父と偽って潜入した彼女はピーターのアタックにより、彼に惹かれて行ってしまい…というお話。
基本的にウディ・アレンの映画は彼自身が出ている作品が好きなのである、と以前記事に書いた。(→こちら) でもそれは主演作を指しており、今回のように助演に回った時は微妙だ。ウディが主演で彼の視点の作品は「これぞ正調ウディ・アレン映画」と思えるのだが、助演だと面白いけどどこか物足りない。監督であるウディが役者としてウディ・アレンを起用したという雰囲気になってしまい、ふたりのウディに距離が出来てしまう気がするのだ。
だから本作も面白くはあったが、多少薄味な気がして物足りなさを感じた。観る前から助演と知っていたので、予想はしていたが、それが的中してしまった。同じくマジック(催眠術だったけど)を使った設定で催眠術にかけられてしまい大騒動になる主演作『スコルピオンの恋まじない』の方がずっと好きだった。
またウディ主演でニューヨークを舞台にした映画が創られないかな、なんて希望しているのだが、果たして叶えてもらえるのだろうか。
こんばんは。
最後のイラスト、スカーレットにそっくり!サイドの「画廊」も楽しませて
いただいてます。(^^)
今回は丹下さんのおっしゃるように、ウディが助演だったのでちょっと
全体的にパワー不足だったかも。でもウディもお年なので、主演はきついんじゃ
ないでしょうか。けれどやっぱりニューヨークで、ウディのマシンガントークサクレツな作品をもう一度見たいですね。
by coco030705 (2007-12-10 21:51)
ココさん、ありがとうございます。
ウディ・アレンって昔から老けた感じで年齢不詳なイメージでしたけど、すっかり実年齢が外見に追いついてしまった気がしますね。やっぱりもう、仰る通り主演はキツいのかなぁ…。
by 丹下段平 (2007-12-11 01:42)
段平さんこんばんは。
用意されている次の2作品も監督作品のようですね。
ウディ・アレン出演作品自体が貴重になるのかも、なんて思ったりします。
by キキ (2007-12-11 21:16)
キキさん、こんにちは。
ウディはもう出演しないのでしょうか。確かに監督と役者の両方やるのは大変なんでしょうけど、それじゃぁ淋しいですね。しょうがないんでしょうけど。
クリント・イーストウッドはどうなのかな?
by 丹下段平 (2007-12-12 07:24)