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「人のセックスを笑うな」 [映画(2008)]

根本的なことなのだが、男性と女性の感性ってこれ程までに違うものなのかと考えさせられてしまった。

男である自分からすれば、取るに足らない話を2時間以上の長尺で見せられてしまった印象を受ける。男性の監督なら3分でまとめるシーンが井口奈己監督の手にかかると10分くらいの長さになる。おそらく『めがね』の監督でもこのくらいの時間をかけて撮るのかもしれない。最初はそんな撮り方が面白く思えていたのだが、それがだんだん苦痛になってくる。最後の30分くらいは何度も時計で残り時間を確認してしまった。

それからカットをほとんど割らない撮り方も女性監督の特徴なのか。例えばこの映画で永作博美と蒼井優がファミレスで向かい合って話をするシーンがあったのだが、カメラは会話している蒼井だけを延々と映し、永作は声だけ。こんな撮り方の意図は何なのか。蒼井の表情が良かったのでずっと見せていたかったのか、その時の永作の表情に問題があったのか、撮影時間が足らず永作を撮る時間がなかったのか、元々永作を撮るつもりがなかったのか、とかいろいろ推測してしまうが、結論はよく分からない。せっかく今が旬な女優二人の絡みのシーンなのだから、もうちょっとちゃんと見せてほしかった。

このような据えっぱなし長回し系の映画はリアルタイムの時間が流れ、臨場感があるのだが、あまり好みではない。この系統で思い出されるのが『楽日』(記事)。あれは辛かった。この映画は永作博美が面白いキャラだったので観ていて苦にはならなかったのだが、最後30分でいなくなってしまうので、観ていて急に苦痛になった。蒼井優は出るとたいがい共演者を喰ってしまうのだが、今回は永作の方が良かった。珍しく蒼井で退屈した。

この映画を観た劇場、満員の観客の7~8割が女性だった。どこの劇場でも女性客の姿の方が多くなった昨今、女性ならではの感性で映画を撮る女性監督の需要が高まるのは分かる。しかし、こんな映画ばかりになってしまったら堪らないものがある。

男性の皆さん、もっと映画館に行きましょう!


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かえる

こんばんは。
なるほど。大変参考になる感想でした。
やはり男性にとってはそんなによくないんですね・・・。
by かえる (2008-02-11 00:47) 

丹下段平

かえるさん、コメントありがとうございます。
この映画を観て「良い」「悪い」ではなく、体内時計というかテンポというか、本質的に性の違いがあるように感じました。それと何に興味があるのかということも。
でもこの映画が女性に支持されているのは何となく分かる気がします(書くと長くなってしまうので端折りますが)。
by 丹下段平 (2008-02-11 01:37) 

キキ

こんにちは。
段平さん、とても苦痛な2時間だったみたいですね。
絵(イラスト)もありませんし・・・。
by キキ (2008-02-11 18:43) 

丹下段平

キキさん、こんにちは。
苦痛だったのは最後の30分でした。
イラストは永作博美を描きたかったのですが、上手く描けなかったのです(スランプ?)。その内、できたらさりげなくアップします。
オー、イエス!
by 丹下段平 (2008-02-11 20:00) 

アートフル ドジャー

気にはなってるんですっがまだこの作品未見です。
by アートフル ドジャー (2008-02-15 16:01) 

丹下段平

アートさん、ありがとうございます。
一般的な撮り方をしていない映画なので、好みが分かれる作品かと思います。機会がありましたらチャレンジしてみてください。
by 丹下段平 (2008-02-15 23:43) 

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