ウミウシ 不思議ないきもの [Books]
ウミウシという生き物は何となく知っていた。しかし、その「何となく」がいかにいい加減だったかを思い知らされたのがこの写真集。たまたま本屋で平積みになっていたこの本の表紙の写真に目が留まり、手にとってパラパラと頁を捲ってみるとビックリ。
信じられないくらいの美しさ!
どんな芸術家でも敵わないほどの色合いとデザイン。いったいどんな理由でこんな姿に進化していったのか。そしてその種類の多さにも驚かされる。各々が全く異なる姿をしており、どれも見事な個性を兼ね備えている。「海の宝石」と呼ばれているのには納得。これでも紹介されているのはごく一部らしい。著者によるとウミウシは殻を持たない巻貝の一種で、世界に約2000種、日本には約1200種がいるらしい。しかも今でも新種が発見され続けている様子。
この写真集のカメラマン(文も)はウミウシに魅せられ、神奈川県から奄美大島に移住し、仕事の傍ら美しい海に潜ってウミウシの写真を撮り続けているのだとか。「そんな人生もありだよな」と思うが、自分にはとても真似できない。そもそも僕はアウトドア派ではなく、ダイビングも未経験。幼い頃に見たウルトラマンの『海底科学基地』の回で、海底で酸素が無くなっていく恐怖を味わってから海に潜りたい気持ち以上に怖さが先に立ってしまう。まぁ、それは言い訳で、単に不精なだけなのだが。
だからこの本のような人がいてくれるのは有りがたい。自然の神秘を家で寝転がりながら体験できる。おそらくこの先潜ることのない海の世界だが、奄美の美しい海の写真集を見ていると、一生に一度くらいならいいかな、と思えてくる。
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