「レッドライン」

『スピードレーサー』を観に行ったはずなのに、気がついたら『レッドライン』を観ていた…ってのはウソ。Ａ級カーアクション映画と同時期に公開されたＢ級カーアクション映画なんて、ブルース・リーの映画が公開された時に雨後のタケノコのように現れた香港Ｂ級カンフー映画みたいなもので、いかにも人気に便乗した感じで胡散臭いのだが、空いた時間にピッタリだったのがこの『レッドライン』だったので観てみることにした。

この『レッドライン』は脳味噌に皺が一本も無くったって大丈夫なほど単純なカーアクション映画。金持ちの道楽で行われている公道賭けレースに挑む女性ドライバーのナターシャ（ナディア・ビョーリン）やライバルのジェイソン、その兄のカルロ（ネイサン・フィリップス）とナターシャのロマンス、賭けレースに興じるラッパーのインフェイマス、ナターシャに目をつけた富豪のマイケルらの愛憎ドラマを挟みつつ、スピード感溢れるＣＧ抜きの迫力あるカーレースシーンを楽しむことができる。

スターが出ないカーアクションなんて典型的なＢ級映画なのだが、登場するレースカーは超Ａ級（あまり車に詳しくないのだが、多分相当高い車だと思う）。フェラーリ、ベンツ、ポルシェ、ランボルギーニなどのスーパーカーが疾走してはクラッシュする様は実に…

もったいない！

「壊すくらいなら俺にくれ！」と思わず言いたくなるほどのもったいなさ。これがカーマニアなら尚更そう思うことだろう。それでも自動車好きには目の保養も出来て楽しめる映画になっていると思う。だけど車に興味の無い映画好きには…どうだろうか。

それにしても、こんな連中が実際にいたら、はた迷惑だけなのだが…

タグ：ネイサン・フィリップス ナディア・ビョーリン