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昭和のハワイアンを求めて [音楽]

ハワイ.JPG実は以前からハワイアンのCDを一枚欲しいと思っていた。でも、なかなか「これ」というものが見つからなかった。

僕が小さかった頃、ハワイアンが流行っていたのか、夏になるといろいろな所でよく流れていたので耳にする機会も多かった。何の楽器だか分からなかったが、爽やかな音色はまだまだとてつもなく遠かった南の島の抜けるような青空と燃えるような夕日をイメージさせてくれた。しかし、僕はまだ子供だったのでレコードが欲しいとまでは思わなかった。

それから随分時は流れ、ハワイアンの人気がなくなったのか、滅多に耳にすることもなくなり、存在すらも忘れていた。しかし近年、癒しの音楽ということで再び注目されるようになり、夏になるとCDショップで目立つ場所に置かれるようになってきた。数年前、試聴コーナーで何枚かのCDを聴いてみた。ウクレレの名手によるそのCDからは、確かに爽やかで癒されるような音楽が聞こえてきた。しかし…

僕が子供の頃に聴いていたハワイアンじゃない

と思えた。昔よく耳にしていたハワイアンはウクレレの音色ではなかったのだ。もちろん本格的なハワイアンはウクレレなんだろうし、これが正しいものなんだろうことは分かる。でも「何とも言えない物足りなさ」を感じてしまい、結局CDは買わなかった。

恐らく僕が求めているのは、例えば「本格的なインドカレーは美味しいと思うけど、今食べたいのは昭和の味がするライスカレーなんだよっ!」って言ってるのと同じことなのだろうと思う。味覚でも聴覚でも、それが邪道であったとしても慣れてしまえばそちらが主流に思えてしまうものである。

で、月日は更に多少流れてつい先日。『スピード・レーサー』のサントラを買いにCDショップに立ち寄った時のこと。店の入口近くに「ハワイアンと沖縄音楽」の特設コーナーがあったので足を止めてみた。ハワイの美しい風景写真のお洒落なジャケットが並んでいた。でも、どれもこれもウクレレの演奏か歌のCDばかり。「やっぱり僕が聴きたいのは、今は主流じゃないから置かれていないのか」と諦めかけたその時、一枚だけ雰囲気の異なる野暮ったいジャケットのCDを見つけた。しかもレトロな出で立ちのバンドのメンバーといっしょに写っている楽器はウクレレではない風変わりなもの。キーボードみたいな卓上にあるのは鍵盤ではなくギターの弦みたいなもの。

僕が探していたのはこれじゃないのか?

確信はなかったが、このCDに賭けてみたい気持ちになり、『スピード・レーサー』と一緒に購入した。それが下の写真

バッキー白方とアロハ・ハワイアンズ.jpg

家に帰り、早速プレイヤーにかけてみた。演奏が始まった瞬間、体にビビッと衝撃が走った。

これ! これ! これ!!

と思わず叫んでしまった。

ついに見つけた、あの日あの時に聴いた音色。昭和半ばの駅前商店街やデパート屋上遊園地の情景が音楽と共に蘇る。気分はもう昭和にタイムスリップ。

後でネットで調べてみたら、このCDのバッキー白片氏はハワイアンの第一人者で、僕が生まれた少し前くらいにカリスマ的な人気を誇った人であることが分かった。僕が探していた音色はスチールギターと言うらしく、バッキー氏がこれでハワイアンを流行らせたため、その後に続いた人たちの多くがスチールギターでハワイアンを奏でていたようだ。何たって僕が子供の頃はウクレレといえば「あ~~やんなっちゃった」のイメージが強く、ハワイアンなら断然スチールギターだったのだ。

おそらく僕が知らなかっただけで、もう少し前の世代の人から見れば「バッキー白片も知らないの」ってことになってしまうのだろう。でも、回り道はしたが求めていたハワイアンに辿り着けた。

2008月の夏休みは『バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ』の音楽と共に旅に出る!

定番ベスト

定番ベスト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: テイチク
  • 発売日: 2004/09/01
  • メディア: CD

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ばん

僕にとっては大変懐かしい方です。
by ばん (2008-07-27 10:37) 

丹下段平

あぁ、やはりばんさんはバッキー氏と接点があったんですね。多分そうじゃないかな~と思っていました。
by 丹下段平 (2008-07-27 11:30) 

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