「赤い風船」 [映画(2008)]
話に聞いて、ずっと以前から観たいと思っていた『赤い風船』。版権の関係でリバイバル公開はなく、ソフトにもなっていなかったらしいが、ようやく問題をクリアして劇場で観られることになった。しかもこの映画を監督したアルベール・ラモリスの『白い馬』と2本立。
『赤い風船』は1956年のカンヌ映画祭でパルム・ドール、『白い馬』は1953年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞している名作中の名作。36分と40分の短編でありながら受賞したのは快挙だったんじゃなかろうか。2本とも台詞が殆どない映像だけで表現している映画の原点ともいえる作品。この瑞々しさは50年以上経った今でも色褪せていない。映像詩と呼ぶに相応しい作品であった。
既に作品の評価は定まっているし、予備知識無く白紙の状況で観たほうがよいと考えるので、あまり詳しいことは書かないでおく。なので、ちょっと気がついたことをひとつだけ。『赤い風船』はパリの街の素晴らしい風景をロケーションで撮っているのだが、主人公の少年が立ち寄る、街を見下ろすような高台にあるパン屋をどこかで観たような気がしながら観ていたのだが、閃いてしまった。…『魔女の宅急便』! これが立地条件といい雰囲気といい、かなり似ている。宮崎駿監督がこの作品に影響を受けていても何ら不思議ではなく、オマージュを捧げていたのではないかと考えれば、より親しみの持てる作品じゃないだろうか。
『赤い風船』はストーリーを追うことばかりが映画じゃないことを証明した作品。必見!
タグ:アルベール・ラモリス
2008-08-23 16:38
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色褪せない名作でしたね。
観てよかった!本当にそう思いました。
by 江戸うっどスキー (2008-08-25 10:10)
江戸さん、nice!&コメントありがとうございました。
本当に「観てよかった!」と思える作品でした。ラモリス監督の長編『素晴らしい風船旅行』も何とか観られないですかね~(観ていないので)。
by 丹下段平 (2008-08-26 00:49)