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「最強☆彼女」 [映画(2009)]

『猟奇的な彼女』が面白かったクァク・ジェヨン監督の新作。今回もまた強い女の子の話。僕はこの作品を観ながらあるひとりの旧友を思い出していた。自主映画を創っていた時分、仲間としていっしょにいたI君のことを。彼は強い女の子が大暴れし、男たちをコテンパンにする作品を好んで創っていた。僕も女の子にKOされてしまう役をさせられたものだ。そしてこの『最強☆彼女』を含め今までのクァク・ジェヨン監督作品を観るにつけ「女性の趣味がI君と同じだよな~」と親近感がわくのだった。これだけ強い女性ばかり描くとなると、それはもう監督の好きなタイプなんだと思うしかない。たまたまなんてことはあり得ない。ポニーテールが好きだったところまでI君と一致している。

大学の怪力部(なんだ、そりゃ)で活躍するソフィ(シン・ミナ)は、実は武林(古式武術ってカンジ?)の跡取り娘。体は鉄のように強く、力持ち。そんな彼女がアイスホッケー部のジュンモ(ユゴン)に一目惚れ。早速怪力部を辞め、アイスホッケー部にエッジを研ぐ係として入部し、ジュンモに猛アタック。しかしジュンモが好きなのは年上の婦人警官。そんな中、幼馴染の武林の跡取り息子イリョン(オン・ジュワン)がやって来てソフィに言い寄る。ジュンモに気があるソフィは疎ましく思い冷たい態度で接するのだが…。一方、武林の達人であるソフィやジュンモの親たちに刺客が忍び寄り…というお話。

映画の前半はラブコメ。途中からイリョンが加わって三角関係に(婦人警官も含めれば四角関係だが)。後半は武術映画になってしまい、三角関係の顛末はどこへやら。ラブストーリーとしても武術映画としても中途半端になってしまっている。やりたいことがいくつもあったことは分かるが、夫々が散漫になってしまい、ラストは物語を放り投げてしまったかの印象。そんなまとまりのなさまでI君の映画と共通しているとは恐れ入る。何だか怒るに怒れない、個人的には懐かしいテイスト。クァク・ジェヨン監督の作品は『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』と『最強☆彼女』の3本しか観ていないので断言はできないが、『猟奇的な彼女』は実力以上に出来過ぎの作品だったような気さえしてくる(友人の話だと同監督の『ラブストーリー』は良かったという証言もあるが)。今後、この監督の作品に期待してもいいものか疑問である。

それにしてもI君とは久しく連絡をとっていないけど、彼はこの『最強☆彼女』を観ることがあるのだろうか。もし観ていたならどんな感想を持ったのか、ぜひ聞いてみたいところだが。

最強☆彼女.jpg


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ばん

毒舌を楽しみにしています。
by ばん (2009-01-20 00:34) 

丹下段平

然るべき時には爆発すると思いますので、ご期待ください。
by 丹下段平 (2009-01-20 22:18) 

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