「シャッフル」 [映画(2009)]
リンダ(サンドラ・ブロック)に夫の死が知らされたのは木曜日。翌朝起きたリンダの目の前にいたのは死んだはずの夫であった。何事もなかったように過ぎた月曜日。翌朝起きたリンダの前にいたのは喪服姿の知人たち。その日は夫の葬儀の日であった…
と、ある一週の曜日がシャッフルしてしまった女性が体験する不思議な出来事を描いた作品。これは予告編で観ていたので、大体のあらましは想像でき、面白そうに思えての鑑賞。割と期待していたのだが、果たしてどうだったかと言うと…
イマイチ
だった。このような普通はあり得ない設定にした場合、「非現実的な体験によって、生きることの喜びや悲しみを際立たせることを目的とした、普遍的なテーマを持った作品」であるか「物語そのものを楽しませる娯楽作品」のいずれかにしか成り得ないと思う。前者の場合は、古典的な作品だが『素晴らしき哉、人生』『第七の封印』とかから、新しいところでは最新作で未見ではあるが『ベンジャミン・バトン』もこちらのグループに入るのであろう。きっと思い出せば良作は沢山あるように思えるのだが、一方後者はシャマラン監督作品がこちら側の成功例であろうが、他はなかなか印象に残る作品を思い出せない(もっともシャマラン監督も前者側にシフトしてきている)。つまり方向性としては前者の道を選ぶことが適切な判断であろうが、この『シャッフル』はショッキングなサスペンス調の演出や音の入れ方からして後者を選択した作品であったようだ。
後者を選んだ場合、観客を満足させるハードルはより高くなる。観客が作品に求めるものが前者とは明らかに異なってくる。物語を楽しませるなら、超常現象が起きた原因を謎解きし、納得させると同時にどんでん返し的な展開が求められよう。辻褄を合わせるために脚本は緻密に練り上げない限り、観る側を満足させることは困難である。
しかし『シャッフル』の創り手はそんなことに無自覚であったようだ。結局観終わって残ったものは「なぜ?」という疑問符のみ。なぜこんなことが、なぜこの一週間のみが、となぜのオンパレードでスッキリしないことこの上ない。アイディア自体は面白いのだが、それを活かすことができない中途半端な作品に止まってしまった。
まぁ、言うのは簡単だけど、創るのはホントに難しいジャンルなんだと思う。
こんにちは☆
途中、宗教的な話の方向に向かって、リンダも納得したっぽかったので、
わかる人にはわかる結末なのかな、、?とか思ったりもしました。
私にはちんぷんかんぷんでしたけど、、(^-^;
by ジジョ (2009-02-09 13:06)
何だか全てにおいて中途半端だった気がしました。結末はうやむやの内に誤魔化して終わりって感じでした。
by 丹下段平 (2009-02-09 22:23)
こんばんは。
>そんなことに無自覚であった
謎の解明についてはきれいにスルーしていましたね。
考えれば考えるほど、意味不明でした。
by hash (2009-02-11 21:10)
謎をそのままにしておくなら他の「何か」が欲しかったです。
ホントに意味不明でした。
by 丹下段平 (2009-02-12 00:14)
こんばんは^^
TBありがとうございます。
書かれている通り、何も解明しないまま終わってしまい、
残ったのはストレスだけでした。
リンダが動いても旦那の死の運命は変えられませんでした。
人間がどんなにあがいても運命は変えられないという結末なら
それはそれで結構ですが、自分だけは精神病院に捕まるはず
が、子供ができてなんとなくハッピーエンド。
自分のほうだけ都合よく変えちゃ、そりゃ観てる人はフラストレ
ーション溜まります。
by KLY (2009-02-12 01:56)
KLYさん、こんばんは。
途中で曜日が入れ替わっていることに気がついたのだから、リンダはもっと早く未来を変えようと行動できたはずですよね。例え結果は変わらなくてもアクションは起こせたはず。眠らなければどうなるのだろうか、とか考えてもよさそうなものですよね。
by 丹下段平 (2009-02-12 02:21)