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「罪とか罰とか」 [映画(2009)]

途中、クスリとさせられる場面はあるものの、基本的にはあまり笑えないコメディ。

崖っぷちアイドル円城寺アヤメ(成海璃子)は一日警察署長として呼ばれ、そこで元カレの恩田(永山絢斗)と再会する。その日の朝、管内で殺人事件が発生していた。容疑者らしき男が逮捕されるが、アヤメは殺人癖のある恩田の仕業と確信していた。そんな中、コンビニ強盗事件が発生。犯人3人組(山崎一、奥菜恵、大倉孝二)は、その場にいたアヤメのマネージャー(犬山イヌコ)と同じ事務所で売れっ子のグラビアアイドル耳川モモ(安藤サクラ)を誘拐して逃走した…というお話。

3人組の強盗団を始め、脇役は結構面白いのだが、肝心の主人公と元カレで笑いを取れないのが辛い。成海璃子と永山絢斗はコメディに向いているとは到底思えない。したがって署外のエピソードは面白くても、警察署の件になると一気にテンションが落ちてしまう。描き方も警察署内の在り方などあまりにも非現実的で、安っぽさばかりが目立ってしまう。これも役者が面白ければ勢いで見せてしまえるのかもしれないが、それがないためにアラばかりが目立ってしまう。

それに引き替え、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督の人脈なのだろうか、脇には芸達者な役者を揃えており、冒頭あっけなく殺される佐藤江梨子やコンビニ店員の市川由衣やトラック助手席の変な女役の麻生久美子やちょっとしか出ない警官に石田卓也など、他では主役を張れる役者もチョコット顔を出す。一瞬だが映画監督の行定勲も登場するのはご愛敬(観ている時は、みうらじゅんかと思ったが、最後のクレジットで行定と分かったのだが)。そんな面々が出れば出るほど主役たちのつまらなさが目立ってしまう。

全体的に小ネタの寄せ集めなので、そんな映画が好きな人ならそこそこ楽しめると思うが、僕にはインパクトに欠ける中途半端なコメディであった。テレビの深夜枠で観るならいいかもしれないが、わざわざ入場料を払って劇場で観る作品としてはどうなんだろうか。

罪とか罰とかB.gif


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nexus_6

ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督の『1980』は劇場で観ました。有り得ないほど長尺のワンカットが有ったりして「演劇畑の人だからか?」と思ったら、「ワンカットにしないと、映画屋さんの理屈で勝手に編集されて意図しないものにされてしまうから」(!)とのことでした。いずれにしても、好みの分かれる作風でした。
今回は、どうしたものか...
by nexus_6 (2009-03-04 21:58) 

丹下段平

カット割りをしない撮り方は意図があって使用するならいいのですが、日本映画の場合は手間暇を惜しんでカットを割らないケースがあり、品質を落としていると思います。『罪とか罰とか』は比較的面白い使い方がされていました。
この監督の作品は仰る通り好みが分かれると思います。
by 丹下段平 (2009-03-05 15:15) 

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