「おっぱいバレー」 [映画（2009）]
ここ最近観た映画が力作続きだったので、こちらも力を入れて観なくてはならず、いささか疲れてきたので脱力系（と思われる）の作品が観たくなって、選んだのがこの『おっぱいバレー』。
それにしても恥ずかしいタイトルである。シネコンのチケット売り場で窓口のうら若きお姉さんにこのタイトルを告げなければならず、どうしたもんかと思ったのだが、勇気を振り絞って言ってみることにした。
「お、『おっぱいバレー』一枚」
と、目を合わせず告げると
「OPV一枚、次回４時からの回でよろしかったですか（北海道の人はこんな言い方をする）」
「いいです、いいです」
ってなことで略して言っていた。やっぱりお姉さんだっておっぱいとズバリには言い難かったのだろう。ま、そんな感じで無事チケットを購入して劇場内へ。
1979年、寺嶋美香子（綾瀬はるか）は北九州の中学校に赴任してきた。お荷物である男子バレー部の顧問になるが、メンバーはやる気がなく、バレーボールの練習をまともにしたことがなく、女子バレー部との練習試合でも歯が立たないありさま。彼らは1年生の時に先輩（石田卓也）にいじめられてばかりでバレーを教えてもらったことがない上に、やる気まで失ってしまっていた。そんな彼らにを奮起させようと美香子は「試合に勝ったらなんでもしてあげる」と約束。生徒たちの希望は「勝ったら先生のおっぱいを見せてください」だった。嘘つきと呼ばれたくない美香子は勢いで承諾してしまう。俄然張り切る部員たち。美香子は生徒を勝たせてやりたいという気持ちとおっぱいを見せたくないという気持ちの板挟みになり…というお話。
はっきり言ってもっと面白くなってもよさそうな物語なのだが、これが案外盛り上がらない。綾瀬はるかが脱ぐはずがなく、結果も見えているという前提があっても、もっと試合でハラハラしたりしてもよさそうなものだが、それが全くないのはいかがなものか。問題は馬鹿中学生のバレー部員にあったと思う。キャラクターが弱く、見た目もバカっぽくないしダメな感じがなく、「おっぱいを見たい」という気持ちがいまひとつ伝わってこない。ひとりくらいは美形をいれても構わないが、後のメンバーはもっとモテなさそうで田舎っぽい野蛮な雰囲気がほしかった。そうなれば約束を果たしてもらうために頑張る姿に真実味と迫力が加わったように思える。その結果「どうなっちゃうのっ」て気持ちが観客に芽生えるような気がするのだが。監督の羽住英一郎ってどこかで聞いたことのある名前だと思っていたら『銀色のシーズン』（→記事）の監督だった。こりゃ、ダメな訳だ。
それにしても仲村トオルって最近ヘンな役が多いなぁ。もっとも役がヘンなのか、役をヘンにしてしまっているのか分からないのだが…
2009-04-25 11:52
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コメント(8)
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さすが段平さん、立派です。
複数スクリーンのある映画館ならたいてい、「シネマ1」とか「シネマ2」とか、あるいはシネコンなら「スクリーン1」とか「スクリーン2」ってことになってるから、もし私がこの映画を観るならそういう言い方でチケット買えばいいな、と思っているところでした。
by baldhatter (2009-04-25 19:55)
さすがって…
そんな言い方を思いつかなかっただけです。今度、こんなことがありましたら使わせていただきます。
by 丹下段平 (2009-04-25 21:22)
この作品あまり評判がよろしくないので
結局タイトル一本釣りなんだなと思っていたんですが、
『銀色のシーズン』の監督だったんですね。
窓口で「おっぱい１枚」と言ったお客さんのためにも
もうちょっと頑張って作って欲しいもんです。
by CORO (2009-04-25 21:44)
名前負けしていました。しかし、もっと面白くできた作品ではあったと思います。やはり監督の力量が不足したのが最大の原因だったのでしょう。
by 丹下段平 (2009-04-26 09:22)
そうですか、『銀色のシーズン』の監督さんだったんですか.....。
それだけで参考になりました。ありがとうございます。^.^;
by キキ (2009-04-27 07:39)
『銀色のシーズン』と最初から分かっていたら、違う映画を観たんですけどねぇ～。
by 丹下段平 (2009-04-27 22:20)
貧乳っが流行の昨今、タイトルに偽りなく？おっぱい重視のキャストだったのにね〜。
by アートフル ドジャー (2009-05-01 13:38)
確かに重視されていたようです。
内容も比例してボリュームがあれば良かったのにと悔やまれます。
by 丹下段平 (2009-05-02 00:00)