「プロミスト・ランド 〈青春の絆〉」(今月のおススメ) [映画-今月のおススメ]
この『プロミスト・ランド』が日本で公開されたのは、創られてから2年が経った1989年。おりしもバブル景気で日本中が浮かれていた真っ只中。そんな時代の空気に合わないと判断されたのだろうか、都内では新宿三丁目の東映封切り館(今はバルト9)の2階にあった劇場1館でひっそりと公開された作品で、おそらくそこで観た人は僕を含めてかなり少なかったことだろう。
内容は小さな町の高校の同級生2名にまつわる話で、ひとりはバスケットのスター選手、ひとりは存在感の薄い落ちこぼれ。この2名は親友で、夫々が夢を持って都会に出ていくのだが、お互いに志は叶わず、ひとりは警察官、ひとりは犯罪者になり、再び育った町で出会うというもの。
何だかブルース・スプリングスティーンの歌詞にありそうなストーリーなのだが、当時は遅れてきたアメリカン・ニューシネマみたいなビターな内容が配給会社に嫌われたのか、実に手を抜いた宣伝しかしてもらえなかったようだ。
主要人物の落ちこぼれを演じたのがキーファー・サザーランド。そして彼が都会から連れて来たあばずれな赤毛の彼女を演じたのがメグ・ライアン。既に『恋人たちの予感』が公開されてブレイクしていた彼女が、何でこんな汚れ役をと当時は驚いたものだが、調べてみると創られたのはこちらが先だった。その後、知的な女性を演じることの多かったメグ・ライアンのビッチな演技は見もの。
『青春の絆』なんて爽やかな副題がついてはいるが、実際は「青春の悔恨」の方が合っているように思える、重く暗いトーンの作品ではあるが、観た人には長く心に残る秀作になっている。
キーファー・サザーランドが出演してるんですね!
彼の事は「24」で、始めて存在を知りました。
by 薔薇少女 (2009-05-14 16:38)
キーファー・サザーランドがかなり若かった頃の作品です。彼は当時『スタンド・バイ・ミー』なんかにも出演していました。2世タレントですが、父親より癖のない役者になりましたね。
by 丹下段平 (2009-05-15 00:46)