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「鈍獣」 [映画(2009)]

映画『鈍獣』オフィシャルブック宮藤官九郎が2004年に執筆し、岸田國士戯曲賞を受賞した舞台脚本をリライトしたものの映画化。ポスターは賑やかだが、さすがに元が舞台なだけあって、登場人物は限られ、舞台設定もほとんどがクラブの中。だけど出演女優は南野陽子、真木よう子、佐津川愛美と個人的にはかなり好みなキャスティング。これで面白く…なかったのだから困ったモンだ。

出版社の女性編集者の静(真木よう子)が訪れたのは田舎の小さな町。静は失踪した作家・凸川(浅野忠信)を探しに、彼の出身地で、小説の舞台になったこの町に来たのだった。凸川の部屋に残されたマッチからホストクラブ〈スーパーヘビー〉に向かう。そこで凸川の幼馴染でホストの江田(北村一輝)、警察官の岡本(ユースケ・サンタマリア)、クラブのママ且つ江田の愛人の順子(南野陽子)、ブリッコホステスのノラ(佐津川愛美)らと出会う。どうも彼らは凸川の行方に関して何かを隠している様子。特に凸川の小説『鈍獣』に出てくるキャラのモデルになっている江田と岡本は怪しく思える。静は昨年凸川がこの町に帰省した際の出来事を聞き出し始める…ってなお話。

古今東西、舞台を映画にした例はいくらでもある。シェークスピアの戯曲はいったいどのくらい映画化されたのだろうか。それら数多ある映画の中で成功した作品と失敗した作品の差ってなんだろうか。「映画と演劇の違い」なんて論じられる程の知識や理論は持ち合わせていないが、少なくとも良くできた演劇の映画化作品は、観ている最中に舞台演劇だったことを観客に意識させないような気がする。最近観た『フロスト×ニクソン』(→記事)だって、言われなければ元が舞台だったとは思えない。後で知って意外に思えたくらいだ。

…なんて書き進めてきたのだが、『鈍獣』がつまらなかった理由が「舞台っぽいから」だけではないような気もしてきた。宮藤官九郎の脚本自体が面白くなかったと言えば、岸田國士戯曲賞ってどうなのってことになってしまう。観てないけどオリジナルの舞台はかなり面白かったのだろうと思える。じゃぁ、その舞台に立った役者が演じれば面白くなったのかと言えば、そのように映画化されたオンシアター自由劇場のメンバーによる『上海バンスキング』がイマイチだったことから、上手くいく保証はどこにもない。

と、考えていけば残るは演出しかない。CMの世界では有名らしい細野ひで晃監督の責任である、と言い切っていいのか分からないが、映画とCMじゃ似て非なるものだったということではなかろうか。何度殺されても生き返って来る凸川が再登場するところなんか、もっと面白く盛り上げられたんじゃないかなぁ、なんてシロートでも思えてしまう。

まぁ理由は何でもいいから、とにかく面白い映画を見せてくれ~!

鈍獣.gif


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コメント 6

薔薇少女

mata nyuuryokuga okasikunarimasita
gomennasai
by 薔薇少女 (2009-05-22 11:00) 

duke

クドカンファンの私も、予告を見て、たぶん見ないな・・と思っておりますが・・はは・・・^^;
でもこんなに素晴らしいイラストで、ユースケも、映画も、光栄だと思います!!

by duke (2009-05-22 12:58) 

丹下段平

薔薇少女さん、どうしましたか?
hayaku naoruto iidesune!
by 丹下段平 (2009-05-23 10:32) 

丹下段平

dukeさん、ありがとうございます。
僕の似顔絵は、周りが「似てる!」と言っても、本人には「似ていない!」と主張されることが多かった(僕が勤める会社のケース)ので、きっとユースケも「似てない」と言うと思います。そんな運命なんです。
by 丹下段平 (2009-05-23 10:37) 

duke

特徴を強調するか、特徴をマイルドにしてきれいに仕上げるかは女性のお化粧においても永遠のテーマですが、前者の方が限りなく素晴らしいと信じておりますm(_ _)m 彼女か奥様には後者でよろしく^^v
by duke (2009-05-23 13:46) 

丹下段平

実は中学校の美術の時間に「隣の人を写生する」ってことがあり、僕も隣に座っている女の子と描き合いっこしたのですが、周りの同級生から僕の絵が隣の子に「似てる!」と評判になり、隣の子は「似てない~!」と言って泣き出してしまった事件がありました。
それ以来、身近な女性の似顔絵は描くまいと心に誓っております。
by 丹下段平 (2009-05-24 00:08) 

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