「おと・な・り」 [映画(2009)]
太田隆文、熊澤尚人、ウスイヒロシ、周防正行、岩田ユキ、吉田大八
…以上6名は毎年大晦日の恒例記事にしている、その年の『ベスト3邦画』に選んだ作品の2006年、2007年の監督たち。実は彼らの次回作を楽しみに待っているのだが、揃いも揃って誰も次の作品を発表せずに今に至っている。もちろん映画以外の仕事はしているだろうし、撮れないのではなく撮らないのかもしれない。しかし、こうも全員となると、僕は貧乏神で、見込まれたのが運のつきなのかと思えてきた。
そんな中からようやくこの『おと・な・り』で熊澤尚人監督が抜け出してくれた。これで丹下段平さげちん伝説もピリオドってところだろうか。
『おと・な・り』は古いアパートの隣同士に住んでいる男(岡田准一)と女(麻生久美子)、夫々の物語が並行して語られる。壁が薄く、お互いの生活音はまる聞こえで、極めて近い存在ながらお互いの人生はなかなか交わらない。それどころか顔さえも知らない間柄。各々が夢や希望を抱えているものの、厳しい現実に押しつぶされそうになる。そんな中で音だけの交流ながら、次第に共感する気持ちも芽生えていく…
こんな些細とも思える2つの物語がクロスしていく様を熊澤監督ならではの繊細なタッチで描かれている。前半はゆるやかなペースで、観ているこちらがダレ始めたところ、主人公の親友の彼女(谷村美月)が乗り込んで来ることで救われる。いかにも大阪のお姉ちゃんなキャラは、登場直後は多少の違和感を抱くものの、若き実力者谷村の活き活きとした演技に主人公もろとも引っ張り回される。平坦に思える作品全体の中で、彼女の存在が映画に活気を与えた。ちょっと違うかもしれないが、『東京物語』の中の杉村春子的な役割のように思えた。
後半、怒涛の偶然の出会いラッシュは如何なものかとも思うが、全体的には好印象な作品。おそらく男性客よりも女性客の方が、この作品に理解を示すのではなかろうか。
熊澤監督、次も楽しみにしているよっ!
>丹下段平さげちん伝説もピリオドって
は、は、は、さげ○○って、メッチャ、オモロォ~イッ!
by 薔薇少女 (2009-06-11 21:16)
岡田くんより麻生さんの方が背が高そうな気がする。どうでもいいけど・・。
こういう場合、音から入った方が恋愛につながりそう。
・・ホントどうでもいい事ですけど^^;
美しい映画のように思います。
by duke (2009-06-12 01:44)
薔薇少女さんもさげちん野郎にはくれぐれもお気をつけください。
by 丹下段平 (2009-06-12 07:52)
dukeさん、こんにちは。
いい感じの映画でした。
それにしてもこんな環境でおとなりさんが良い人でラッキー、ってところでしょうか。怖い職業の人だったりしたら最悪です。
by 丹下段平 (2009-06-12 07:57)
TB、ありがとうございましたm(__)m
少しゆるい感じはしましたが、岡田君ファン、麻生さんファンには
楽しめた映画ではなかったでしょうか^^
何度かTB試みましたが反映しませんでしたm(__)m
by cyaz (2009-06-15 17:31)
cyazさん、こんにちは。
TBできませんでしたか。僕も最近失敗することが多いです。どこに原因があるのか分かりませんが、困ったものです。
by 丹下段平 (2009-06-16 08:01)