「時計じかけのオレンジ」(今月のおススメ) [映画-今月のおススメ]
量販店で『時計じかけのオレンジ』のBlu-ray Diskを見つけ、早速購入し随分久しぶりに鑑賞した。さわりだけ観るつもりだったのだが、途中で止められず、結局最後まで観てしまった。1971年の作品なのに全く古びれることなく、今尚鮮烈な内容と映像に改めて唸った。
スタンリー・キューブリック監督の作品を観る度に、強烈な皮肉に満ちた毒のある内容と、映像の素晴らしさ、音楽(選曲)のセンスに圧倒される。中でもこの『時計じかけのオレンジ』はそんな特徴が際立った、唯一無二の作品ではなかろうか。
基本的にキューブリック監督作品には「人間とは何でこんなに愚か者なのか」というテーマが根底にあるように思える。人間賛歌とは真逆の空虚な絶望感が全編に満ちている。他の監督はそんな中でも何とか光を見出そうとするものだが、キューブリック監督にはそれがない。徹底した性悪説。そこには人間の情など入る隙がない。
この『時計じかけのオレンジ』は、殺人、強盗、強姦を楽しむ冷血漢の主人公アレックス(マルコム・マクドウェル)の一人称という、悪魔の視点とも思える構成になっている。悪逆非道な行いを繰り返すアレックスが、少年院に入れられて、やがて政治の道具に使われるようになり、また…という内容には戦慄を覚える。映像表現は斬新な試みもされているが、そこだけ浮くようなことはなく、トータル的に良くまとまった印象になっているのは見事である。
初めてこの作品を劇場で観た時は、ラストのクレジットまで圧倒的なイメージで、しばらく椅子から立ち上がれないほどの衝撃を受けた。ぜひご覧になっていない方は、この凄い作品を体験してほしい。
でも、僕の大好きな『雨に唄えば』を嫌いにならないでね。
見たのが随分と昔で。そして理解力がなかったので。すっかり忘れてしまいました・・・・。きれいなおうちに侵入して・・・うーーん。。。とてもシュールな気持ちになったのを覚えています。
トラウマで忘れてしまったのでしょうか。(そんなに繊細じゃありません!^^;)
機会があったら見なおしてみます。雨に唄えばとは、どのような関係がありましたでしょうか?
I’m si~ngin in the rain~ just si~ngin in the rain~♪じゃなくて?
by duke (2009-07-06 00:43)
その『雨に唄えば』です。この映画に深く関係していますが、それ以上は伏せておきます。
機会がありましたら、もう一度ご覧ください。きっとイヤ~な気分にさせてくれると思います。
by 丹下段平 (2009-07-06 01:10)
「雨に唄えば」は歌えませんが演奏は出来ます。
by ばん (2009-07-06 10:46)
学生の頃、レンタルで観ました。数年前にDVDを買ったのですが、内容が内容だけに気軽に観られないので未だ未開封です。あと、音楽が「スイッチト・オン・バッハ」のワルター(ウェンディ)・カーロスでしたね。
by nexus_6 (2009-07-06 19:41)
ばんさんの『雨に唄えば』聴いてみたいです!
by 丹下段平 (2009-07-07 01:14)
nexus_6さん、こんにちは。
DVD眠っているのですか、勿体ない。
なんて書きましたが、僕も眠っているDVDは沢山あるので、他人のことは言えません。
by 丹下段平 (2009-07-07 01:16)
相当古い映画ですね。
たしか30年以上は経っているのでは?
by U3 (2009-07-07 07:21)
サントラ盤で話題に上っていたので、見知っていたのですが、内容は
全く知りませんでした。
>人間賛歌とは真逆の空虚な絶望感が全編に満ちている
テレビでやったら見て見たいですね。
「雨に唄えば」との関連性、興味有りますね・・・
あっちのブログ、行ってきました、時折覗きに行きますね!
by 薔薇少女 (2009-07-07 17:28)
U3さん、こんにちは。
『時計じかけのオレンジ』は1971年の作品で、あともう少しで40年になります。時代はかなり経ちましたが、古くなっていない傑作です。
by 丹下段平 (2009-07-07 23:05)
薔薇少女さん、あちらのブログにもご訪問いただき、ありがとうございました。
あちらはユル~くやってるので、たまに覗く程度でお願いいたします。
by 丹下段平 (2009-07-07 23:08)
はじめまして。映画が好きなのでこちらにお邪魔してみました。
時計じかけ・・・はなんとも恐ろしい映画なのですが、
同じキューブリックの2001年宇宙の旅を見るとどうしても
途中で寝てしまいます。
by なぎ猫 (2009-07-08 21:30)
なぎ猫さん、はじめまして。コメント&nice!ありがとうございます。
実は僕も『2001年』で睡魔に襲われてしまいます。『美しき青きドナウ』をBGMに宇宙船が宇宙ステーションに入っていくところで必ず寝てしまいます。
by 丹下段平 (2009-07-08 22:43)
こんばんは。
スンタンリー・キューブリック、すばらしいです。全部の作品を観てはいないのですが、この映画は観ました。ずいぶん昔に観て、あまり覚えていませんが、
強烈なシーンがところどころ目に焼きついています。
「今見ても古びていない」といえば、「2001年宇宙の旅」もまったく古臭くならない。それは一体なぜなんでしょうか。
ちなみに、スピルバーグが監督した「A.I.」はキューブリックが長年温めていた企画だったそうですね。そのころはCG技術が進んでいなかったので、それを
待っていて間に合わなかったとTVで言っていたのを記憶しています。やはり、
キューブリックで観たかったと思います。
by coco030705 (2009-07-08 23:05)
ココさん、こんばんは。
僕もキューブリックの『A.I.』を観てみたかったですね。キューブリックとスピルバーグって方向性がが全く逆の映画作家だと思うんですけど、その2人が同じ原作を取り上げようとしたところが面白いですね。多分、キューブリックなら全然印象の違う作品になったことでしょう。
by 丹下段平 (2009-07-09 00:56)
傑作ですね。キューブリックが急死したときはとても驚きました。
by DSilberling (2009-07-12 17:06)
僕もあの時は驚きました。確か『アイズ・ワイド・シャット』が公開されていたか直前だったような記憶があります。次回作の話も聞こえてきたところだったのでビックリでした。
by 丹下段平 (2009-07-13 22:21)