「96時間」 [映画(2009)]
パリを旅行中に誘拐された娘のため、単身フランスへ乗り込んで奪還しようとする父親の話。極めて単純明快でストレートな内容。昔ならばチャールス・ブロンソンかクリント・イーストウッド辺りが演じそうな主人公。正直なところ、あまり期待せずに鑑賞したのだが、これが
かなり面白かった。
冒頭、元アメリカの秘密工作員だったらしいブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)が、愛想を尽かされた元妻(ファムケ・ヤンセン)と娘のキム(マギー・グレイス)に冷たくあしらわれ、どちらかと言うとダメ人間っぽい様子を見せておいて、娘がパリで誘拐されると同時にスイッチが入り、とんでもなく有能で非情な追跡者に変身する。昔の同僚によって犯人はアルバニア系の人身売買組織ということをつきとめる。その場合、娘を取り戻せるリミットはせいぜい96時間であることも判明。パリに飛んだブライアンは娘が連れ去られた現場へ。荒らされたアパートの部屋に転がっていた娘の携帯電話を発見し…というのが発端の部分。そこからはひたすら娘と人身売買組織を追っていくだけで、タイムリミットがあるから横道に逸れてる余裕もない。
必死の主人公は娘可愛さの気持ちしかなく、悪人だろうが違かろうが他人には非情な仕打ち。「自分の娘のためなら他人なんてどうなっても構わない」を実践する、全編ウルトラミラクル親バカストーリーなのだが、主人公の気持ちと動機がはっきりしている分、どんなに無茶しても観ているこちらとしては納得がいく。
この作品を監督したのはこれが2作目のピエール・モレル。切れのいい演出がこの作品を面白くした大半を占めている。ポスターの名前は監督よりずっと大きく書かれていたリュック・ベッソンは脚本と製作で関わっている。近年リュック・ベッソンが絡んだ作品の中ではピカイチだったんじゃなかろうか(全部観てる訳じゃないけど)。とにかく能書きはさておき、そんなにヒットしてないみたいだけど拾い物なので見逃さないでいただきたい作品である
リーアム・ニーソンは髭があった方がカッコいいと僕は思います。
by bamboosora (2009-08-31 05:12)
リュック・ベッソンは最近はプロデュース側に
回ることが多いのですか?
ところで、絵はリーアム・ニーソンですか?
by なぎ猫 (2009-08-31 11:39)
またもや、関係ないコメントで申し訳ないのです、ゴメンナサイ。
2005年『疾走』(重松清原作)と云う映画を、深夜テレビ録画して
見たのですが、段平さんは、見ていらっしゃらないですか?
重いけど、知らなくてはいけない人の不可思議?理不尽さ?、差別?
適切な言葉が見つからないけど、、、?
臼杵の記事のコメントで書いた坂道の下の貸本屋さん、
親に『坂の下の部落へは、行っちゃいけない』って、言われてた事、
が、オーバーラップしました。
いつも、タイムリーなコメント出来なくて、本当にごめんなさい。
by 薔薇少女 (2009-08-31 12:35)
面白そうです!!家ではダメダメ、現場はバリバリのあたり、ダイハードぽいですね!!
by duke (2009-08-31 21:18)
bamboosoraさん、こんにちは。僕も髭があった方がカッコいいと思います。でもこの作品の場合は普通っぽく見える人が…というギャップが効果的だったかもしれません。
by 丹下段平 (2009-09-01 02:34)
なぎ猫さん、こんにちは。
一応リーアム・ニーソンなんですが、似てませんでしたね。外人さんは立体的な顔なので、単純な絵で表現するのは難しいです。
by 丹下段平 (2009-09-01 02:38)
薔薇少女さん、こんにちは。
『疾走』は観ていません。重松清の小説はそこそこ読んでいるのですが、これはまだです。気にはなっているので、その内観るか読むかしてみます。
by 丹下段平 (2009-09-01 02:42)
dukeさん、こんにちは。
確かにダイ・ハードっぽいところもありますね。あちらの4作目も娘が誘拐されてたし。ただこちらの主人公はどちらかと言えば007の方が雰囲気は近いかも。
by 丹下段平 (2009-09-01 02:46)
非常にわかりやすいストーリーを非常にわかりやすく撮っていて、とても楽しめる作品でした。
by hash (2009-09-07 00:51)
hashさん、こんにちは。
仰る通り、単純明快でストレートな内容でしたが、かなり楽しめました。
by 丹下段平 (2009-09-07 07:33)
ほんと、ベッソンの最近の作品の中じゃ、ピカイチだったんじゃないかと(ぜんぶ観てないけれど)^^;
あれこれ云わせない、一本筋の通った脚本が良かったですよね。リーアムの背中に哀愁も感じてしまったし。
思いのほか、よかったです☆
by クリス (2009-09-27 00:14)
思いのほかよかった…そんな映画でしたね。あまり話を膨らませ過ぎなかったのが成功した要因のように思えました。
by 丹下段平 (2009-09-27 00:28)