「蘇りの血」 [映画(2010)]
市川猿之助の歌舞伎等で有名な小栗判官の物語を基に、『空中庭園』の豊田利晃監督が4年ぶりにメガホンをとった作品で、期待したのだが…
…酷かった…
物語に悪役が登場する場合、その悪役に魅力があれば、主人公が多少ヘッポコでも興味を失わずに面白く観られてしまうものだが、その逆は最悪。どんなに主人公が頑張っても決して面白い作品にはならない。だからアメリカ映画では悪役に大物ないしは実力俳優を起用するケースが多い。最近では『イングロリアス・バスターズ』や『ダークナイト』がその好例。
しかし、この『蘇りの血』は残念ながら悪役に全く魅力がなかった。大王(渋川清彦)と呼ばれる巨悪の暴君が野蛮でチンケな山賊の頭にしか見えず(実際に観ている間はそう思っていた)、物語のスケールを小さくし、映画自体も安っぽく魅力のないものに落としてしまっている。チンピラのように描くのが意図だとしたら、『ロミオとジュリエット』を『ウエストサイド物語』にしたように、小栗判官も現代劇にして不良グループの話にしてしまった方がスッキリしたのかもしれない。唯一の収穫はテルテ役の草刈麻有(草刈正雄の娘)が可愛かったくらいなものである。
のりぴーのような事件を起こし4年間映画を撮れずにいた豊田監督が、不治の病から復活するオグリ(中村達也)に自身を重ね合わせた気持ちも分からないではないが、時代劇はあきらかに畑違いだったのではなかろうか。同じテーマなら違う方法論で描くべきだったように思う。
それにしても病に倒れて以来姿を見ない市川猿之助の復活はないのかな。復活してくれたら僕が宙乗りして東京まで飛んで行って芝居を観たいんだけどなぁ…
渋川清彦さん、ゴールデンスランバーに出てました。雰囲気が生かされた良い役でしたよ!
「チンケな山賊の頭」←なんとなくわかるような^^;
by duke (2010-01-24 01:07)
役者も適役なら生きるということでしょうね。正直、渋川さんは大物感がないので、この映画の役は合っていなかったと思えました。
by 丹下段平 (2010-01-24 12:05)
草刈麻有はかわいいですねえ。これからが楽しみです。
by なぎ猫 (2010-01-24 20:54)
草刈麻有、この映画では良さが引き出されていませんでしたが、可愛いのは間違いないので今後に期待したいです。
by 丹下段平 (2010-01-24 22:13)