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「ラブリー・ボーン」 [映画(2010)]

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで名を上げたピーター・ジャクソン監督の新作。予告編を観た印象などから期待の一本ではあったのだが…

スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は14歳の女の子。両親(マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ)と妹と弟の5人家族(たまに祖母(スーザン・サランドン)も現れる)で、何不自由なく田舎の街で暮らしていた。そんなある日、憧れの上級生レイから週末のデートに誘われて幸せいっぱいの帰り道。近所に住むジョージ・ハーヴィ(スタンリー・トゥッチ)に殺されてしまった。見慣れた街を通り過ぎ、着いたところはこの世ではない別世界。スージーは死後の世界に来てしまったのだ。一方、殺人犯は特定できぬまま日は過ぎ、スージーを失ったサーモン家は両親に不協和音が…というのが物語の発端。

幸せで夢多き人生を突然終わらせられたスージーの悲しみ、スージーを殺されてしまった家族の喪失感と苦悩、何食わぬ顔で近所に住み続ける殺人犯のドラマが並行して語られていく。このような物語だと最近涙もろくなったこちらとしては泣きダルマになりそうなところだけど…全然泣けなかった。

スージーの無念、家族の再生、犯人を追いつめるサスペンスが大きな3つの要素とし混在しているのだが、ピーター・ジャクソン監督がどこを一番描きたかったのかが読み取り難く、各々のテーマを描き切れていない中途半端な印象を受けた。また、全てのキーマンであるはずのスージーが、この世の物語に直接的に関わってこないのも観ていてもどかしさを感じた。中心人物が物語に参加してこないと盛り上がりを欠いてしまうのではなかろうか。

何はともあれ、期待が大き過ぎたこともあって、結果的に残念に思えた作品。

決して悪くはなかったんだけど、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ…

ラブリーボーン.gif


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コメント 14

なぎ猫

突っ込みどころは多いですね。私にとっても期待が大きすぎた作品でした。心残りのキスは一緒に見に行った友達とも突っ込みあいました。まあいわんとしてることは分かる気がしましたが。確かに中途半端かな??(そのうち自分の記事で書くつもり。)シアーシャ・ローナンはいいですね。これからも期待。
by なぎ猫 (2010-02-16 10:57) 

クリス

ある意味すごい駄(大)作でしたね・・・。
なんかいろいろ言いたいことある風なのに、どれも中途半端。
役者がみんなよかっただけに、残念です。
期待してたのに。
スーザン・サランドンは、ほんっともったいなかったですね。
by クリス (2010-02-16 20:07) 

丹下段平

なぎ猫さん、こんにちは。
いかにも期待してよさそうな映画なので、観た人みんなハードルが高かったんでしょうかね。
でも、僕もシアーシャは良かったと思います。どのように成長していくのでしょうか?
by 丹下段平 (2010-02-16 21:54) 

丹下段平

クリスさん、こんにちは。
駄作になるはずないような内容で失敗こいてしまった感じですね。いろいろな要素夫々に深みが足りない。読んでないけど原作の良さを生かせなかったってところでしょうか。
by 丹下段平 (2010-02-16 21:57) 

hash

>期待が大き過ぎた
宣伝の仕方が悪いように思います。
本作に限ったことではないですが、敢えてフェイクをかけているように思え、残念です。
by hash (2010-02-17 00:58) 

丹下段平

hashさん、こんにちは。
客を入れるための宣伝ですから、それはそれで仕方がないのですが、上手すぎると過大な期待を抱いてしまいますね。
by 丹下段平 (2010-02-17 01:56) 

薔薇少女

>上手すぎると過大な期待を抱いてしまいますね。
映画のテレビCMって、誘客の為には確かに効果は有ると思いますが、
何だかな・・・っと思う事が多いです!
by 薔薇少女 (2010-02-17 08:23) 

ジジョ

こんにちは☆
ほんと、ちょっと残念な作品でしたね^^;
女子の立場としては、あの殺され方で最後のが希望がアレっていうのは、
ほんとに切ないてたまらない、、、ハズなんですけど、
いまいちうまく表現できてなかったですね。。。
by ジジョ (2010-02-17 14:38) 

丹下段平

ジジョさん、こんにちは。
僕はあの大きな穴の空いたゴミ捨て場でもっと何かあると思ったんですけどね…。よく分かりませんが、キリスト教的死生観が反映された作品なんでしょうか?
by 丹下段平 (2010-02-17 23:38) 

丹下段平

薔薇少女さん、こんにちは。
昔はもっと映画のCMってあざとかったような気もします。特に名古屋に本社があったヘラルド作品に多かった気が…? B級映画なのに大作に思わせる過大宣伝の多かったこと!
by 丹下段平 (2010-02-17 23:41) 

TanTan

キリスト教の原罪という物が根底にある素晴らしい作品だと想いました。
宗教観が違うと、わかんない映画だろうなと、ニュージーランドで撮影されCGで典麗に加えられたイメージと重ねてストーリーを味わうと、言うべき事が望まれるのかも知れません。
「ダイアナの選択」という昨年上映された映画と繋がるところがあるとも想います。

by TanTan (2010-02-17 23:43) 

丹下段平

TanTanさん、コメントありがとうございます。
宗教的なものが色濃い作品って、こちらにそれが身についていないと素直に感動できないのかもしれませんね。こういう作品って案外盲点です。
by 丹下段平 (2010-02-18 00:06) 

k_iga

はい、シアーシャ・ローナンの可憐さに惹かれて借りました。

何故か「ラブリーボーン」を「ラブ・リボーン」と記憶していて
最後には何らかの形で再生(リボーン)する映画だと思っていたら
(例えば将来、妹の子供としてとか)そうじゃないし、
連続殺人者のメガネのオッサンは不気味だし・・・。

賛否両論あるようですが天国との中間地点?は美しくて良かったです。
(お祖母ちゃん(スーザン・サランドン)は何のための出演?)
by k_iga (2012-05-31 15:07) 

丹下段平

k_igaさん、こんにちは。
僕的には期待の高さがかなりだったのでこんな感想になってしまいました。多分否定的な人もそうだったんじゃないのかなぁ。
by 丹下段平 (2012-06-03 12:50) 

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