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「ラスト・ソルジャー」 [映画(2010)]

この『ラスト・ソルジャー』に主演しているジャッキー・チェンについては、以前ずいぶん感傷的な記事を書いてしまったことがある(→こちら)。そこで「作品が減った」みたいなことを記述してしまったのだが、僕の知る限りでは2010年に日本で公開された彼の作品はこれが3本目。以前の記事がいかにピントのずれたものだったか思い知らされるような仕事っぷり。幾つになっても相変わらずのペースでキャリアを積み重ねているジャッキーの精力的な働きには頭が下がる。ただ若い頃のような激しいアクションをもうできないことは明白で、身軽さよりもジャッキーのもうひとつの武器である“親しみやすいキャラクター”を前面に活かした作品となっている。

紀元前227年(とてつもなく昔だよなぁ)、中国は戦乱の時代。弱小国梁の下級兵士(ジャッキー・チェン)は戦いで全滅した部隊の中で死んだふりをして唯一生き残ることができた。一方相手方の衛も深い傷を負った将軍(ワン・リーホン)を残し全滅。兵士は動けない相手方の将軍を捕らえ、彼を手土産に母国へと向かう。しかし将軍の座を狙う彼の弟(ユ・スンジュン)は兄が生きていては都合が悪いので、殺害すべく兵士と将軍の後を追った…ってお話。

今回のジャッキー映画は珍しく(って僕が他を観ていないだけかもしれないが)時代劇。戦国の時代に翻弄される男の物語。重くなりそうな題材だが、ジャッキー主演だと肩肘張らずに気楽に観られるので安心。

しかし、それがジャッキー・チェン映画の良さではあるが限界でもある。彼のキャラクターを活かすことで誰でも楽しめる娯楽作品に仕上がるものの、「映画の格」という点では一段落ちてしまうような印象を受ける。それは本人も自覚しているのか、過去シリアス物にも挑んでいるが、僕は観たいと思わなかったし、成功したという話も聞こえてこない。残念ながらジャッキー目当ての観客はそんな変貌を望んでいなかったのだろう。

でもこれでいいんである。ジャッキー・チェンは例えどんなに凄いことをやっていようが、いつまでも気軽に付き合える(もちろん映画の中で)スターであってほしい。重厚で歴史的な名作よりもB級娯楽映画にたくさん出演する昔堅気のスターであってほしい。世界でほとんどいなくなってしまったプログラムピクチャーの香を残すスターとしてまだまだ頑張ってくれ!

ラストソルジャー.gif


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もももんがが

確かに。ジャッキーチェンは大衆のスターって位置がピッタリですね。
変にセレブっぽくしても面白くないし・・・。
by もももんがが (2010-12-07 13:05) 

なぎ猫

人にはそれぞれ役割があるのかもしれませんね。ジャッキー、ベストキッド、よかったです。
by なぎ猫 (2010-12-11 22:25) 

丹下段平

もももんががさん、こんにちは。
ジャッキー、セレブなんでしょうけど、そんな雰囲気がないのが安心させてくれます。やっぱり庶民の方が似合ってる気がします。
by 丹下段平 (2010-12-12 02:36) 

丹下段平

なぎ猫さん、こんにちは。
今年のジャッキー出演作で唯一観てないのがベストキッドでした。
その内レンタルで観てみます。
by 丹下段平 (2010-12-12 02:37) 

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