「いちご白書」(をもう一度) [映画(2012)]
荒井由実作『「いちご白書」をもう一度』を当時無名だったフォークグループ、バンバンが歌ってヒットしたのが1975年。僕はまだ子供だったので、歌詞をちゃんと理解できなかった。しかし『いちご白書』(スチュアート・ハグマン監督)とは映画のことだってことくらいは分かっていた。ただその時点ではこの映画を観てみたい、という気持ちにはなっていなかった。すこし時が経ち、映画に興味を覚えた頃から次第に観たいと思うようになったのだが、ずっとどこの名画座にもかからず、ようやく観ることができたのは映画の主人公たち(ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー)と同じくらいの年齢になってからだった。
不思議なことに『いちご白書』はあまり書籍等で取り上げられることもなく、今のようにインターネットで何でも調べられるような時代ではなかったため、内容的なことは全くと言っていいほど情報がなかった。バンバンが『悲しい場面では涙ぐんでた』と歌っていたので、そんな内容なんだろう、ってなくらいなもの。そんなまっさら状態で観た『いちご白書』。
実は観られるまで時間がかかり、「じらされた分膨らんだ期待程ではなかった」というのが初めて観た直後の率直な感想。メロウな青春映画と予測していたのだが、学生運動の映画でビターなラストに面食らった気持で、何となく胸にモヤモヤしたものを抱えながら帰路についたのであった。
しかし…
何時間、何日過ぎても辛いストップモーションのラストカットが頭に残り、主人公たちの痛みが自分の痛みのように感じられてきた。感動が時間が経ってから…
じわじわっ
と、やって来たのだった。丁度同じ時期にアメリカンニューシネマの傑作『卒業』を観ていたく感動したのだが、こちらは日を追うごとに「良かったのはサイモン&ガーファンクルの歌で映画自体は大したことなかったんじゃないか」とトーンダウンしていった。いつしか僕の中では『卒業』と『いちご白書』の位置は逆転し、「アメリカンニューシネマの青春映画」=『いちご白書』となっていった。
あれから数十年、DVDになることなく、『午前十時の映画祭』の選からももれた『いちご白書』を拾ってリバイバル公開する会社が現れた。「若い頃の感動が今の自分には受け入れられるのだろうか」という不安もあったが、この機を逃すと再びスクリーンでは観られないかもしれないという思いから観に行くことにした。そして、最初に観た時よりも映画の深さが理解できたような気がした。名作は何度観ても名作なんである。
ユーミンは観るだろうか~『いちご白書』を~(余計なお世話)
あれ、札幌では上映終わってらぁ。(またやっちまった…)
ラジオを聞いてて「いちご白書」をもう一度」みたいな主題歌を期待したら
「サークル・ゲーム」に?
by k_iga (2012-03-21 21:45)
「いちご白書」同様、キム・ダービーの情報も全くありませんでしたね。
by @ミック (2012-03-22 06:08)
サントラは現在廃盤でヤフオクで落としました。DVD化希望です。
by なぎ猫 (2012-03-23 11:56)
k_igaさん、こんにちは。
「サークル・ゲーム」名曲だと思います。映画にとても合っていました。但し、古い映画なので音が割れてましたけど…。
by 丹下段平 (2012-03-24 14:21)
@ミックさん、こんにちは。
キム・ダービーはその後『猿の惑星』に出たことは知っていたんですけど、それ以外は全く情報がありませんでした。ブルース・デイヴィソンは更に情報がありませんでした。
by 丹下段平 (2012-03-24 14:24)
なぎ猫さん、こんにちは。
サントラ、僕も欲しいです。ニール・ヤングのCD、買っちゃおうかな。
by 丹下段平 (2012-03-24 14:26)
「いちご白書」と聞くだけでウルウルしちゃいます!
連れと知り合った頃、彼の学祭で上映してた様な気がします?!
内容は余り覚えてないのですが・・・
何せ大学生と付き合ったのは初めてだったので(。-_-。*)ゝポッ
by 薔薇少女 (2012-04-03 23:39)
薔薇少女さん、こんにちは。
良き思い出の映画なんですね。
デートで観た映画の内容なんてあまり覚えてないもんですよね。
by 丹下段平 (2012-04-07 15:40)