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「アーティスト」 [映画(2012)]

02銀ヒ熊賞.gif以前の記事で「『雨に唄えば』が大好き」と書いたことがあった(→記事)。こんな僕だから尚更感じたのかもしれないが、このアカデミー作品賞・監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)・主演男優賞(ジャン・デュジャルダン)・衣裳デザイン賞・作曲賞の5部門に輝いた『アーティスト』は、設定や物語の大筋が『雨に唄えば』とかなり似通っている。『雨に唄えば』をシリアスにして、白黒サイレンスでリメイクしたのが『アーティスト』だ、と言ったら過言になるかもしれないけど、創り手がかなりの影響を受けていることは間違いなかろう。

まだ映画がサイレンスだった頃のハリウッド。ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は俳優としてキャリアの絶頂にあった。新作の舞台挨拶が終わり劇場から出たところで出会ったペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)は役者の卵。エキストラをして下積みの身。ジョージと撮影所で再会しても身分の差はあまりにも大きい。そんな中、トーキー映画が発明された。「くだらない」と一蹴するジョージであったが、時代は大きくトーキー映画へと変わっていく。急激に落ち目になるジョージと入れ替わるように、トーキー映画の新スターとしてペピーは注目されていく…ってなお話。

『雨に唄えば』が好きなんだから、やっぱりこんな映画は相性が良い。主人公の置かれる立場が過酷になって、心が躍るような展開ではなかったとしても面白く、技術的にも見応えのある作品であった。それにしてもハリウッドのような煌びやかな世界を白黒サイレントで撮るなんて大胆な試みは商売第一のハリウッド資本では許されなかったのではあるまいか。ハリウッドが舞台ではあるがフランス映画ならではこそ成立したように思える。そんな作品にオスカーを与えたハリウッド。懐が広いのやら狭いのやら…?

アーティスト.gif


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薔薇少女

いまどき白黒サイレント映画って大冒険ですね?!
ストーリーは面白そうですね!!!
最近DVDばかり見ていて映画館から遠のいてしまってます!
『娼婦ベロニカ』スゴク面白かったです。
by 薔薇少女 (2012-04-30 22:33) 

丹下段平

薔薇少女さん、こんにちは。
白黒サイレント、おまけに画面はスタンダードサイズと昔の映画の雰囲気を再現させています。アイディアとしては考えた人はいるでしょうけど、実際に作るのには勇気がいるでしょうね。芸術を重んじるフランスならではでしょうか?
by 丹下段平 (2012-05-03 02:08) 

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