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「キック・アス」 [映画(2010)]

平凡よりちょっと以下の冴えないコミック好きの高校生デイヴ(アーロン・ジョンソン)が、憧れのスーパーヒーロー〈キック・アス〉に恰好だけは大変身して悪に立ち向かう内に、大きな事件に巻き込まれ大ピンチ。そこに謎の親娘でこれまたスーパーヒーローの恰好をした〈ビッグ・ダディ〉(ニコラス・ケイジ)と〈ヒット・ガール〉(クロエ・グレース・モレッツ)が現れデイヴは救われる。敵のマフィアのボス(マーク・ストロング)は手下を大勢殺したのは〈キック・アス〉だと思い、彼の姿を追い始める。そしてボスの息子でデイヴの同級生のクリス(クリストファー・ミンツ=プラッセ)も〈キック・アス〉をおびき寄せるために〈レッド・ミスト〉に変身して…というお話。

この『キック・アス』が面白いのは何と言ってもキャラクター設定。主人公のデイヴは女の子には縁のない地味な存在で、〈キック・アス〉の衣装は通販で買ったものだし、変身(着替えるだけだけど)しても滅法弱かったり、巨乳の女教師で抜いてしまったり、憧れの彼女からはゲイだと勘違いされて安パイ扱いでお友達関係になってしまったりと、トホホな要素満載。そんな姿が〈みうらじゅん〉的で恰好は良くないけど親しみは沸いてくる。それから〈ヒット・ガール〉は幼女のちびすけなのに凄いソルジャーだったりする意外性も楽しませてくれる。

こんな作品なので笑って観られるのだが、それは前半まで。後半は結構マジな展開になっていく。マフィアとの戦いは死闘の様相で手に汗握る、本格的一歩手前のヒーロー物と言った感じ。大作に押されて地味に公開されてしまっているが、優れた娯楽作品になっているので、見逃すには惜しい映画だと思う。

キック・アス.gif


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大蔵ざらえ(「ハングオーバー!」ほか) [映画(2010)]

2010年後半は観た映画は全て記事にしようと誓ったのに…

10本も記事にし損ねた作品が残っちまった!

まぁ、なんて軽い誓いなんでしょう。ざっと作品名を挙げてみると…

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

『息もできない』

『レポゼッション・メン』

『クレイジー・ハート』

『カラフル』

『ボローニャの夕暮れ』

『闇の列車光の旅』

『瞳の奥の秘密』

『デイブレイカー』

『nude』

いやいや、かなり素晴らしかった作品も混じっていて、「なんで書かなかったのかな~」って我ながら呆れてしまう。さて、この中から何本かピックアップしてサクッと感想を書いてみたい。


『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(トッド・フィリップス監督)

アメリカらしいな~って映画。

結婚を前にバチェラーパーティをラスベガスでやろうって出掛けたバカ4人(ブラッドリー・クーパー他)。大酒飲んで酔っ払って気がついたらホテルの部屋は滅茶苦茶。花婿が失踪した代わりに虎と赤ん坊が何で、って映画。まぁ、バカバカしいけど面白い。それにしてもラスベガスって街はカジノよりもバカ騒ぎするための街って認識なんだろうか?


『レポゼッション・メン(ミゲル・サボチニク監督)

『未来世紀ブラジル』がやりたかったんだろうな~って映画。

まずまず面白かったけど、あのラストはどうよ? それにしてもフォレスト・ウィッテカーが笑福亭鶴瓶に見えて仕方がない。


『クレイジーハート(スコット・クーパー監督)

02銀ヒ熊賞.gifこれもアメリカらしいな~って映画。

この作品でアカデミー主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスのうらぶれっぷりがいい。日本人じゃ思わないけど、アメリカ人だとうらぶれた姿がカッコよく見えるのはなぜ? これでアカデミー助演女優賞にノミネートされたマギー・ギレンホールも好演。大人の映画っす。


『Colorful カラフル(原恵一監督)

02銀ヒ熊賞.gif良作なのに話題にならなかったな~ってアニメーション映画。

絶望の中から再生への道を模索していく物語に涙、涙。普通に生きることの喜びが感じられる素敵な作品。宮﨑あおいや麻生久美子が声優で参加していたが、観ている間はまったく気づかなかった。これはちゃんと記事にすべきだったなぁ…


『瞳の奥の秘密(ファン・ホセ・カンパネラ監督)

02銀ヒ熊賞.gif重厚な作品だな~って映画。 

アカデミー外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画。堂々とした風格のある作品に釘付け。これも大人の映画っす。それにしてもアルゼンチンの映画って初めて観たかも?(ブラジル映画ならあるんだけどねぇ…)


とまぁ、ホントにサクッと書いてみたけど、振り返ってみればちゃんと記事にすべきだった作品がゴロゴロ。来年は観た映画はちゃんと記事にするぞ、と一応は誓ってみたけど無理っぽいよなぁ…(弱っ)

ハングオーバー.gif


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「バーレスク」 [映画(2010)]

バーレスク オリジナル・サウンドトラックもしかしたらこの『バーレスク』は映画としては大したものではないのかもしれない。ありがちなストーリー、プロモーションビデオのような演出と感心すべきものではない。

だがクリスティーナ・アギレラの歌がそんなものをうっちゃってしまったのだから凄い。華奢な体からは想像できないような圧倒的な声量。逆に彼女のパフォーマンスの妨げにならないように物語を控えめにしたというのが正解なのかもしれない。そのくらい歌い踊るクリスティーナ・アギレラの存在感は絶対的であった。

歌手として成功することを夢見て田舎町からロサンゼルスにやって来たアリ(クリスティーナ・アギレラ)。仕事を探すも彼女を雇ってくれる店はない。そんな中で見つけたのがバーレスク。セクシーな舞台でのパフォーマンスに魅了された彼女はオーナー兼歌手のテス(シェール)に断られても無理矢理店で働き始める。しかし仕事はウエートレスで、彼女の望むダンサーとしては舞台に上げてもらえない。ある日アリが宿泊しているホテルに戻ると部屋は荒らされ有り金は盗まれていた。困った彼女は優しいゲイらしいバーテンダー(カム・ジガンデー)の部屋に居候することになった。そしてアリにもチャンスがやってきた。テスが新人ダンサーのオーディションを行い、ウエートレスをしながら覚えたダンスを披露したアリはダンサーとして舞台に上がることになった。しかしバーレスクは実は経営困難に陥っており、借金の返済期日が近づいていた…というお話。

実はクリスティーナ・アギレラはほとんど知らないアーティストであった。唯一知っていたのがローリングストーンズの映画『シャイン・ア・ライト』でミック・ジャガーと共演していた姿のみ。もっともストーンズに呼ばれるくらいだから、実力は折り紙つきだったんだろうけど、残念ながらアイドル的なイメージが強くて興味を持てずにいた。いやぁ、御見それしました…

それにしても一度バーレスクに行ってみたいな。すすきの辺りだと冴えないショーパブくらいしかなさそうだしなぁ…

バーレスク.gif


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「キス&キル」 [映画(2010)]

スパイの男と巻き込まれた女の話とあっては、最近観た『ナイト&デイ』が思い浮かぶのだが、この『キス&キル』はあちらよりもずっとラブコメ寄り。しかも…

やけにユルい

内容に欠伸が出かかったが、そのユルさが後半への伏線になっていたので、なかなか侮れない。

お嬢様育ちのジェン(キャサリン・ハイグル)は失恋の傷を癒すため、金持ちで過保護な両親(トム・セレック、キャサリン・オハラ)と共に南仏に家族旅行でやって来た。そんな中、敏腕スパイのスペンサー(アシュトン・カッチャー)と出会い一目惚れ。恋に落ちた二人であったが、スペンサーは自分がスパイであることをジェンに伝え損ねてしまった。スパイを辞めたスペンサーとジェンは結婚し、彼女の地元で暮らし始めて3年が過ぎた。近くに住む彼女の両親や呑気な仕事場の同僚たち(ロブ・リグル他)に囲まれて一般市民として平穏な日々を過ごすスペンサーであったが、ある日突然スパイであった時の上司から連絡が入り…というお話。

よくよく考えると矛盾点や納得いかない点が出てきてしまうのだが、こんな娯楽映画のラブコメは

よくよく考えてはいけない。

頭を空っぽにして何も考えず、ただ目の前で起こっていることを素直に受け止めることが正しい鑑賞法なんである。そうすれば前半の生ぬるさに隠された後半への伏線に素直に驚き、薄気味悪がれるってなもの。これを真剣に観てしまうと痛い目にあってしまう。逆に言えばその程度のB級作品。女性ならアシュトン・カッチャーのイイ男ぶりを楽しめればいいってくらいのアイドル映画。

それにしても原題の〝KILLERS”を『キス&キル』に変えた配給会社は『ナイト&デイ』の二番煎じを狙ったな。大雑把に言えば似た設定だから、どさくさに紛れて売っちゃおうってとこなんだろうけど、出来にはちょっと差があったような気が…

キス&キル.gif


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「SPACE BATTLESHIP ヤマト」 [映画(2010)]

世代的に『宇宙戦艦ヤマト』をリアルタイムで観ている…と、書きたいところだが、初放映時は裏番組の『アルプスの少女ハイジ』を観ていたので、『ヤマト』は再放送時から。ちなみに『ハイジ』は高畑勲、宮崎駿が参加していたのだから相手が悪かった。『ヤマト』の視聴率が低迷しても仕方があるまい。実際『ヤマト』がブームになったのは再放送時から。“アニメーション=子供が観るもの”という概念を取っ払った、今に続くアニメブームの元祖が『宇宙戦艦ヤマト』だったのである。

当時、再放送時から観始めた僕もかなり気に入っていた。元々戦艦大和が好きだったことも大きかったのかもしれないが、長い闘いと宇宙の航海に熱中した。日本中でブームになった『ヤマト』はやがてテレビ版を再編集した映画にもなり劇場公開して大ヒットを飛ばした。僕はこれは観に行かなかったのだが、続編で映画がオリジナルの『さらば宇宙戦艦ヤマト』は劇場で大泣きこきながら観たことは懐かしい思い出である。

しかし「これで完結」と思われた『ヤマト』に驚きの続編が創られてしまい、製作者のとんでもない裏切り行為にはらわたが煮えくりかえった。同時に『ヤマト』に対する熱も一気に氷点下まで下がり、その後は一切を拒否するまでになってしまった。作品世界をぶち壊した金の亡者には、亡くなった今でも憤りしか感じ得ない。まるで汚い物を見せられたような印象の『宇宙戦艦ヤマト』との別れ。おそらく多くの同世代が同じような気持ちになったのではあるまいか。

そんな『宇宙戦艦ヤマト』がこの21世紀に木村拓哉主演の実写版として突然復活。どう考えても内容面でアナクロ感は否めず、おまけにキムタクや黒木メイサ、柳葉敏郎ってところのメインどころがテレビっぽいキャスティングなところも観賞意欲を削いだ。しかし監督が『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴なので興味を持った。あの『続』のゴジラはなかなか見所があったので、他はマイナス要素だらけではあったが、不安7割・期待3割くらいの気持ちで観てみることにした。

物語は『宇宙戦艦ヤマト』がベースだが、後半『さらば宇宙戦艦ヤマト』の要素も入っている。最後の最後が『ターミネーター』だったのはご愛嬌。全般的にはパロディに見えてしまいそうな素材をギリギリのところで踏み止まったといった印象か。残念ながら感動も高揚感もなかったが、そこそこには楽しめた。オリジナルから森雪(黒木メイサ)、佐渡先生(高島礼子)、デスラー(声:伊武雅刀)、アナライザーのキャラクターに大きな改編があったが、もう思い入れが残っていない分、特に不満はない。むしろ青い顔のデスラーや古典的なフォルムのアナライザーをまともに再現してはギャグになりそうなところを変えたのは正解に思えた。不満はイスカンダルがやけに近く思えたことと個々のキャラクターの描き方が浅かったことだろうか。尤も映画の尺では難しいことだったと思えるが。

それにしても実はヤマトが無事だったってことで何食わぬ顔で続編が創られたら笑うな。そんなところでオリジナルを忠実に再現したら逆に感動するかも…ってしないか。

ヤマト.gif


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「ラスト・ソルジャー」 [映画(2010)]

この『ラスト・ソルジャー』に主演しているジャッキー・チェンについては、以前ずいぶん感傷的な記事を書いてしまったことがある(→こちら)。そこで「作品が減った」みたいなことを記述してしまったのだが、僕の知る限りでは2010年に日本で公開された彼の作品はこれが3本目。以前の記事がいかにピントのずれたものだったか思い知らされるような仕事っぷり。幾つになっても相変わらずのペースでキャリアを積み重ねているジャッキーの精力的な働きには頭が下がる。ただ若い頃のような激しいアクションをもうできないことは明白で、身軽さよりもジャッキーのもうひとつの武器である“親しみやすいキャラクター”を前面に活かした作品となっている。

紀元前227年(とてつもなく昔だよなぁ)、中国は戦乱の時代。弱小国梁の下級兵士(ジャッキー・チェン)は戦いで全滅した部隊の中で死んだふりをして唯一生き残ることができた。一方相手方の衛も深い傷を負った将軍(ワン・リーホン)を残し全滅。兵士は動けない相手方の将軍を捕らえ、彼を手土産に母国へと向かう。しかし将軍の座を狙う彼の弟(ユ・スンジュン)は兄が生きていては都合が悪いので、殺害すべく兵士と将軍の後を追った…ってお話。

今回のジャッキー映画は珍しく(って僕が他を観ていないだけかもしれないが)時代劇。戦国の時代に翻弄される男の物語。重くなりそうな題材だが、ジャッキー主演だと肩肘張らずに気楽に観られるので安心。

しかし、それがジャッキー・チェン映画の良さではあるが限界でもある。彼のキャラクターを活かすことで誰でも楽しめる娯楽作品に仕上がるものの、「映画の格」という点では一段落ちてしまうような印象を受ける。それは本人も自覚しているのか、過去シリアス物にも挑んでいるが、僕は観たいと思わなかったし、成功したという話も聞こえてこない。残念ながらジャッキー目当ての観客はそんな変貌を望んでいなかったのだろう。

でもこれでいいんである。ジャッキー・チェンは例えどんなに凄いことをやっていようが、いつまでも気軽に付き合える(もちろん映画の中で)スターであってほしい。重厚で歴史的な名作よりもB級娯楽映画にたくさん出演する昔堅気のスターであってほしい。世界でほとんどいなくなってしまったプログラムピクチャーの香を残すスターとしてまだまだ頑張ってくれ!

ラストソルジャー.gif


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「乱暴と待機」 [映画(2010)]

主要登場人物4人。物語のほとんどが昭和っぽい平屋の市営住宅の中。いかにも舞台っぽい設定であるが、実際に本谷有希子による舞台の映画化。ごく限られた人たちのごく限られた場所での物語と聞けば、やたらとこじんまりとしていそうな印象を持たれそうだが、これがなかなか面白かった。

平屋の市営住宅に引っ越してきた失業中の番上(山田孝之)と水商売をしている妊娠中のあずさ(小池栄子)。引越しの挨拶に近所に住む家を訪れた番上はスウェット姿の奇妙な女・奈々瀬(美波)と出会う。彼女は兄・英則(浅野忠信)と二人暮らしで二段ベッドで寝起きしている。後日、あずさは奈々瀬の姿を見かけ驚愕。彼女は奈々瀬と高校の同級生で、酷い目に遭わされた過去があった。しかも奈々瀬と英則は実の兄弟ではないことを知っている。ふたりが近所に住んでいることがどうにも許せないあずさは奈々瀬の家に乗り込んだ。そんな中、番上はあずさに急接近していき…ってなお話。

例えどんなにスケールが小さくても、そこに謎があればそれだけで物語への興味を失うことはない。胡散臭い兄妹の謎を暴く覗き見的な(映画では浅野忠信扮する兄が妹の姿を屋根裏から覗くのが日課)面白さがある。逆に言えばそのくらいの面白さしか感じなかったのだが、この程度のスケールで飽きさせなかったのは本谷有希子の原作か冨永昌敬の演出か、あるいはその両方なのか分からないが、大したものなのかもしれない。

それにしても小池栄子って苦手なタイプだなぁ。彼女と向かい合ったら蛇に睨まれた蛙のようになってしまいそう…って、ど~でもいいことでしたね。

乱暴と待機.gif


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「クレイジーズ」(2010) [映画(2010)]

ゾンビの帝王ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に創った同名作品(邦題『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』)のリメイク。今回御大は製作総指揮として参加し、メガホンはブレック・アイズナーに任せている。

小さな田舎町で突然人格が変わり狂暴になり家族を惨殺する事件が起こった。保安官のデヴィッド(ティモシー・オリファント)は相棒の保安官補ラッセル(ジョー・アンダーソン)と共に原因を探るうちに軍用機が水源地に墜落していたことを知る。その積荷が町の住民に何らかの影響を及ぼしていると確信。実際水源地から近くに住んでいる順に狂暴化が始まっている。そうしている間にこの現象はどんどん広がっていく。やがて町にはガスマスクをつけた軍隊が現れ、住民たちを隔離し始め町中がパニックに。検温で陽性反応がでた妊娠中のデヴィッドの妻(ラダ・ミッチェル)は拘束され引き離されてしまった。狂暴化した住人、何かを隠蔽しようと非常手段の軍隊に挟まれたデヴィッドたちは…というお話。

これだけ面白くなりそうな要素があるのに…あんまし…。

普通にきっちり撮っているけど、プラスアルファがない。このジャンルの映画はあまりにも多く創られたため、当たり前のことだけじゃ驚きもしないし新鮮味も感じないということなのだろう。生死の差があってもゾンビも狂人も人を襲い恐怖に陥れることは変わりなく印象も大きく違わないのだ。

残念ながら、わざわざリメイクする意義が感じられなかった…そんな映画である。

クレイジーズ.gif


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「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」 [映画(2010)]

ジョン・レノンが亡くなった日のことは今でもはっきり覚えている。1980年12月8日。期末テストを間近に控えてはいたものの、高校生にとっては平凡な一日で終わるはずだった。

その日の放課後は教室の掃除当番で、モップを片手にクラスメイトと他愛のない話をしながらダラダラと過ごしていた。そんな時間には誰もほとんど観ないけど必ずテレビが点いていた。僕の担任が授業でビデオを使う教師だったので、教室には常にテレビが置かれていたのだ。その時は時代劇の再放送だったような気がするが、ふと観てみると画面の上部にニュース速報の文字。そして…

元ビートルズのジョン・レノン、自宅マンション前で発砲され重体

わが目を疑った。青天の霹靂な事態に言葉を失った。『3時のあなた』にチャンネルを変えてみると、ジョンが撃たれたニュースをやっていた。しかし、あまり詳しい情報は入っていない様子であった。「大変なことになってしまった」と背筋が凍る思いをしながら掃除を放り投げ、「なんとか助かってほしい」と思いながら慌てて学校を後にした。家に帰り急いでテレビを点けると、帰宅する1時間弱の間に、ジョンの容体は重体から死亡に変わっていた。確か長い活動休止から復帰して、アルバム『ダブル・ファンタジー』をリリースした直後だったと記憶している。「これから」が期待できただけに、あまりにも残念でショックな出来事であった。

この『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』はジョン・レノンがまだ学生だった頃の実話を映画化した作品。生みの親ジュリア(アンヌ=マリー・ダフ)と育ての親で伯母のミミ(クリスティン・スコット・トーマス)との間で揺れ動くジョン(アーロン・ジョンソン)を描いた物語。

ジョンの魂この辺りのことは大宮にあったジョン・レノン・ミュージアムや彼の曲『マザー』を聴いて、だいたいは知っていたし、自分の中ではイメージが出来上がっていた。それからすると

ちょっと軽いかなぁ…

って印象だった。僕の頭の中にはもっともっともっと苦悩するジョンの姿が勝手に作り上げられていた。もちろん間違っているのは僕の方かもしれない。が、興味深くはあったが少し物足りない気持ちが残ってしまった。

映画では≪ザ・ビートルズ≫というグループ名は出てこない。ポール・マッカートニー(トーマス・ブローディ・サングスター)とジョージ・ハリスン(サム・ベル)は登場するがリンゴ・スターの姿はまだない。ジョンたちがこれから成し得ることの予兆すら見せないところにサム・テイラー=ウッド監督の拘りがあったのかもしれないし、映画のテーマを考えるとこれで正解なのだが、勢いがない分、物足りない気分に輪をかけてしまったのかもしれない。

それにしても、ジョンが撃たれた事件後の期末テストはボロボロだった。何で死んじゃったんだ、ジョン。おかげで勉強が手につかず赤点寸前だったんだぞ! (…と責任転嫁してみた)

ノーウェアボーイ.gif


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「マチェーテ」 [映画(2010)]

2007年に創られた『グラインドハウス』シリーズ(クエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ』とロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー』)。そのおまけのような位置づけで創られた架空の映画の予告編3本。そのうそっぱちの予告編が嘘から出た真と言うか瓢箪から出た駒と言うか、とにかく今回本当に創られちゃったのがその中の1本だったロバート・ロドリゲス監督の『マチェーテ』。『グラインドハウス』シリーズがB級映画のテイストを狙った作品だったので、嘘の予告編もB級仕立て。本編も予告編通り当然ドB級の臓物飛び出るバイオレンス・アクション。メキシカンのおっさん大暴れの巻。

まぁ、とにかく主人公であるメキシコのおっさんマチェーテ(ダニー・トレホ)の顔が酷い。けど、モテモテ。やっぱり男の魅力は顔じゃないんだろうね。そんなマチェーテと濡れ場を演じちゃうのがジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、リンジー・ローハンの若手美人女優たち。しかもポロリまであり。みんな何血迷ってこんな映画に出ちゃったの、って聞いてみたいくらいの出血大サービスぶり。さらにマチェーテの敵役にスティーブン・セガールにロバート・デ・ニーロって豪華な配役。スティーブン・セガールがお付き合いするのは分からないでもないけど、名優デ・ニーロさんは誰でもよかったような役なのにどうしちゃったの?

でも、普段はオファーされないような役をみんな楽しんで演じたんじゃないだろうか。そんな解放感みたいな雰囲気が伝わってくる。それは主演のダニー・トレホにも言えること。どう考えたって普段なら逆の役どころだよなぁ。

ってことで、結構楽しめる作品であった(理由になってない気が…)。意図的に悪趣味を狙ったセンスの良さ。イタリア製B級アクション風ってところだろうか。

もっともイタリア製B級アクション映画って一度も観たことないんだけどね(ってテキトーな記事でスミマセンでした)。

マチェーテ.gif


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