臼杵を彷徨った日 [旅行]
毎年恒例になっている会社の同僚と行く夏の旅は、ドB級グルメのS君が「大分県に唐揚げの街があるらしい」という大雑把な情報を耳にし、ぜひ行きたいと主張したため《大分県唐揚げ旅行》に決まったのだが、多分他のメンバーからすれば消極的に見えただろう僕にも行ってみたい街があった。それは大林宣彦監督が尾道を離れ、近年何度か映画を撮影した臼杵(うすき)である。
世代的に大林監督の作品は数多く鑑賞している。近年ではそのカリスマ性は失われつつあるが、僕にとっては未だに憧れの人である。その監督が『なごり雪』『22才の別れ』の2本を撮影した臼杵にS君のお陰で行けるチャンスが訪れた。10年近く前に訪れた尾道に続いて大林ワールドを体験できる絶好の機会である。
他の3名は映画に興味のない面々なので、臼杵ではひとりで歩く時間をもらうことにした。
大まかに書かれた地元で作った観光地図を手に街を彷徨う。
ここは時間が止まったかのような、昭和が残っている街。
どの路地も懐かしく美しい。
日本はこんな風情を手放し、代わりに何を得てきたのだろうか…
なんてね。
チラシ(ポスター)と同じ場所を見つけた。
『なごり雪』で印象的だった家も見つかった。
途中、迷子になりかけながら歩き回った2時間弱。蒸し暑さでばてかけたところで、他のメンバーから出発の合図。名残を惜しみながら臼杵を後にしたのだった。
『なごり雪』『22才の別れ』を観た人はもちろん、観ていなくても迷いつつ歩き回れば昭和の空気が吸える街なので、近くを訪れる機会があったらぜひ立ち寄ってみてほしい。
今回の記事に全く興味が持てなかった方には、《唐揚げの街》中津にあるむらかみ食堂で食べた唐揚げの写真をどうぞ。
続・土産の話~マジで困ってます! [旅行]
明日(8月16日)から2週間ぶりで会社に出勤する私です。
実は今、とても困っています。
だって、明日会社で配ろうと思って用意していた北海道土産…
白い恋人
なんです!
こんな絶妙なバッドタイミングでの新聞報道。
大腸菌?
賞味期限改ざん?
ど~してくれんだよっ!
本音は、買った分は大丈夫なんじゃないかな、と思っているのですが、貰う方はこのタイミングじゃ喜ばないだろうし、食べてもらえないんじゃないかと思う。
北海道に着いてすぐ、面白がってミートホープを見に行ったバチが当ったというのだろうか?
…仕方ない、自分で全部食うか…
↑ トホホ…
土産の話 [旅行]
食べ物が美味く、夏でも涼しく、蚊がいない北海道から、灼熱の神奈川県に帰って来てしまいました。今、手荷物を広げて整理しようかと思いましたが、疲れているので明日することに決定したところです。
携帯からの記事、写真があんなに大きく掲載されているとは思いませんでした。ちょっとショックです。でも面倒なので修正は後日にします。
旅行に行くと、つい土産店に立ち寄りたくなります。で、目に留まるのは「ヘンテコなもの」ばかりで、今回もそんなものを買ってしまいました。旅の日程が長かった分、ヘンテコ土産もいつもの旅行より多いです。そんな中から幾つかご紹介します。
北海道にお住まいの方、最近北海道に旅行した方なら誰でもご存知かと思いますが、まりもっこりですね。呆れる程どこの土産物屋にも大量に置いてありました。幾つもバージョン違いがあります。まぁ、旅行した方なら、これを受け狙いで買われた方も多いのではないでしょうか。で、次は
木彫風ひぐまチョロQです。嘗ての北海道土産の定番であった、シャケを咥えたヒグマの置物をチョロQにしたというバカバカしさが素敵で、思わず購入してしまいました。続けて同じチョロQもので、
北海道かにQっす。見事としか表現する言葉が見つかりません(ウソ)。バカです、作る方も買う方も(俺か)。
他にはヒグマの手のライターを買いました。これはヘビースモーカーのC嬢へのプレゼントのため袋から出していないので写真は掲載できません。ちなみに肉球を押すと爪が伸びると同時に火が出るというバカバカしい逸品です。
で、最後に
何ン田研二の『アイLOVEリッキー/ばんえい競馬で運だめし』というCD。これは帯広競馬場で購入した珍品? この件に関しては、後日改めて記事にしたいと思っています。
まりもっこりの公式ブログ→ http://marimokkori.kitaguni.tv/
いよいよ最終日 [旅行]
フェリーで苫小牧に着き、北海道をぐるりと回って、また苫小牧。フェリーに乗り込む前に船内食の調達。思えば下船してすぐに入った回転寿司屋が激旨で、再びその寿司屋に舞い戻りました。屋号は旬楽。お薦めです!
ばんえい競馬デビュー [旅行]
ただ今帯広競馬場です。ここではばんえい競馬開催中。わけも分からず馬券買いましたが、果たしてビギナーズラックはあるのか!?
城崎温泉郷はテーマパークだった!(その3) [旅行]
↑王橋を渡って一の湯へ
※できましたら(その1)から順番に読んでくださいね
浴衣姿の雑踏の中から夜空に広がる打ち上げ花火を見ていると、すっかり童心に戻り、小さい頃親と一緒に行った旅行のような気分が蘇る。浴衣姿の雑踏の中から亡き父が「よぅ」と現れて来そうな不思議な感覚に陥る…ってまだ親父は生きてるけど。勝手に殺しちゃいかん。でも例えば大林監督の『異人たちとの夏』のような奇跡もこの場なら起こりそうな感じがした。
僕は花火を見上げながら思わず
完璧だな
と呟いていた。何が完璧なのかその場では把握できていなかったが、その時思った言葉がそれだった。花火はおよそ15分で終わった。15分でも充分堪能できた。そして何が完璧なのか、を考え始めた。
それは全然難しい事ではなかった。この街は全体でコンセプトに則り異空間を成立させているのだ。こじんまりとした和風の温泉宿が並び(洋式のホテルは排除)、レトロな遊戯施設に娯楽は絞り(あまりにもベタな温泉場風景)、かなり抑えた明るさの街灯、温泉街中央を流れる小川と柳の並木、そこに掛かる橋のデザインは昭和を飛び越え大正時代?と思わせるようなデザイン。
そうなんだ、この城崎温泉は街ぐるみで昭和半ばの時代を再現するコンセプトのテーマパークになっているんだ
と気が付いた。いや、これは確かめた訳ではないので、もしかしたら偶然なのかもしれない。しかし、それにしては怖いくらいに上手くいき過ぎている。横浜のラーメン博物館や池袋のナンジャタウンの世界観を街全体で作り上げている。しかも、こちらが圧倒的に凄いのは、浴衣に下駄姿の数え切れないくらいの人数のエキストラ達がいることだ。宿泊客各々は自分がその場の主役ではあるのだが、他人からすれば雰囲気を盛り上げるエキストラなのだ。
う~ん、これは恐れ入った
と、夕食を摂る場所を探し回っている仲間をよそに、ひとり感心ばかりしていた。
ところが飲食店はなかなか見つからない。但馬牛の店は早々に店じまいしてしまっていた。街を彷徨っている内に、また思い出したことがあった。それは旅館にあった名産品展示コーナーに書いてあった文章だ。確か、
展示してある名産品は旅館では販売していないので、土産物屋で購入してください
といった事が書かれてあったのだ。で、また気が付いた事があった。この街では他人の領域は侵さないという事が徹底されているのだ。だから食事は旅館でという事が約束になっているので、逆に僕らは夕食にありつけないのだ。
これは全てにおいて徹底したチームワークで街を繁栄させているのだ
おちこぼれを出さず共存共栄させることで、街が一体となって素晴らしい方向に動いているのだ。僕は腹を鳴らしながら心の中で拍手を送った。
やっと開いている蕎麦屋を見つけ、簡単に夕食を済ませる。旅館の横のカキ氷屋でビール一杯飲み、その日は就寝。朝は外湯が開く7時に起き、勇んで一の湯へ。一の湯は温泉街の中央にあり、場所も風格ある外観も、まさに城崎温泉を代表するメインの風呂である。実は昨日は休館日で入れなかったのだ。
旅館の外は(当然だが)すっかり明るくなっていた。明るい中で見渡す温泉街は、昨夜と打って変わって平凡な温泉街に映った。まるで魔法が解けてしまったかのようだ。やはり舞台装置として夜に勝るものは無い。
昨夜は7つの外湯の内、1箇所しか行けなかったので、あわてて一の湯から鴻の湯、地蔵湯と3箇所制覇(?)したところで体力の限界。素泊まりなので朝食も無いため、湯から上がるとすぐにチェックアウトし、城崎温泉を後にした。
それにしても、時間が許すならもう一度行きたい温泉地であった。はっきり言って、温泉地でもう一度行ってみたい場所なんてそれ程多くは無いのだが、城崎温泉にはもう一度行きたい!
交通が不便で、恐らく行くだけで1日以上かかったのではないかと思われる時代に、遥々東京から城崎温泉に何度も訪れた志賀直哉。
直哉、あんたの気持ちはよ~く分かる。
(おしまい)
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