SSブログ

「銀色のシーズン」 [映画(2008)]

銀色のシーズン (角川文庫 は 35-1)ちょっと時間が空いたので、とりあえず何も調べずシネコンへ行ってみた。タイムテーブルを調べてみると10分後にスタートの映画が一本ある。おお、好都合とタイトルを見てみたら『銀色のシーズン』。どれどれとポスターを見ると…これは…。長年映画を見てきた経験上、これはかなり糞映画な気配を感じた。ポスターが「この映画は地雷だから踏んづけちゃいけないよ」と語りかけてくる。しかし他の映画が始まるまで1時間近くあり、あえて地雷を踏んでみようという気になった。地雷と思って踏んでみたら意外と良かったケースもあるから、僅かな希望に賭けてみた。

冒頭、主人公の城山銀(瑛太)と仲間二人がスキー場で危険な滑り方をして周囲を危ない目にあわせたり、金に困って当り屋をして一般市民から金を巻き上げようとしたりと、チンピラ紛いの振る舞い。

こんな連中の映画を観なきゃいけないのかよ

と既にお手上げ状態。これっぽっちも彼らに共感できず、もううんざりした気持ちになってしまった。そこに綾瀬七海(田中麗奈)登場。彼女はこのスキー場の町興しのために建てられた、氷と雪で創られた結婚式場で挙式する第一号の客。相手は遅れて来る予定なので今はひとり。スキーが出来ない彼女が困っているところを瑛太に助けられる。

何か『卒業』のような結末になるんじゃないか、だったら凄く安直だよな、などと更に嫌な予感が漂う。だいたい物語が進んでいくと多少なりとも主人公に感情移入できていくものだが、今回に限っては全くそれもなし。周囲の好意に甘えて悪さを繰り返す主人公達に嫌気が差してくる。特につるんでいる二人のバックボーンもあまりなく(かろうじてひとりは分かるのだが)、腹立たしさしか感じない。

中盤にきた時には、この映画について自分がどんな記事を書くのかがみえてきて、これまたうんざりしてしまう。「こんな連中の映画を観なきゃいけないのかよ」とか書くんだろうなぁ、と頭の中で考えたりする自分にも腹が立ってくる。終盤、『卒業』のようにはならなかったが、予測できた結末にがっくり。本当に安易に考えられた脚本に憤りを感じた。この作家はこれで感動させるつもりがあったのだろうか。お仕事として、一応若向けにストーリーを考えてみました、程度の志の無い小手先だけで書かれた物語。この作品と比べれば『私をスキーに連れてって』の何と素晴らしかったことよ。話自体は大した事がなくても、あの映画は少なくともスキーの楽しさだけは伝わってきた。創り手がスキーが好きでこの映画を創ったんだなと感じられた。しかしこちらはそんなものさえ伝わってこない。いったいこの映画で何を伝えようとしたのか…それがみえない。

とまぁ、随分悪口書いたけど、観る前から予測していたことではある。そう、

一番悪いのは地雷を承知で踏んづけた自分です! 


nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(3) 

nice! 2

コメント 4

アートフル ドジャー

日本はアクション大作って言う分野はハリウッドに任せた方が無難ですね~。後10~15年後位までは期待出来そうもない気がします。
by アートフル ドジャー (2008-01-24 17:04) 

キキ

あら。思いっきり踏んじゃったみたいですね~。
by キキ (2008-01-24 22:03) 

丹下段平

アートさん、こんばんは。
昔から日本では大作を得意とする監督は少ないですね。黒澤明はこの国の風土では異色の人だったんだなと思います。今後出てくるのか…どうなんでしょう?
by 丹下段平 (2008-01-24 22:13) 

丹下段平

キキさん、ありがとうございます。
思いっきり自爆しました。撮影は大変だったと思うのですが、脚本が安易な気がして辛かったです。
by 丹下段平 (2008-01-24 22:15) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。