「待ち濡れた女」 [映画-DVD]
前に記事にした『進め!ジャガーズ 敵前上陸』を観て以来、自分の中でちょっとした中村晃子ブームが起こっていた。そんな中発売されたのが彼女の主演映画『待ち濡れた女』である。もちろん早速購入した。
ストーリーは、山奥の町に一人で住んでいるつや（中村晃子）は河原で若いカップル（柄沢次郎・浅野なつみ）が車を止めているのを見かける。実はそのカップルはドライブ中に人をひき逃げしてしまい、証拠を隠滅しようとしているところであった。そうとは知らずつやは台風に備え買い物を済ますと、帰り道にカップルの車が燃えているのを目撃する。家に着くと別れた夫がよりを戻すために待っていた。つやは夫を追い返す。つやは夫に愛人ができたため、追い出されるように実家に戻っていたのだった。実家の母も最近死んだため、一人暮らしになってしまっていたのだ。
そんな中台風が訪れ、土砂崩れで電車が止まってしまったため、車を燃やしたカップルも別れた夫もその町から出られなくなってしまう。雨宿りで立ち寄った小料理屋でつやの夫は女将と関係をもってしまう。次の日も夫はつやの家を訪ね、復縁するよう懇願するが、つやの気持ちは変わらない。夫は女将が待つ宿に帰っていく。一方若いカップルは金が底をつき、女が売春して金を稼ぐことになり、男はその間宿を後にする。そこでつやと男が出会い…。
と、荒井晴彦の脚本による男と女の微妙な世界が繰り広げられるのだが、最後まで飽きさせず見せてくれる。女が拒んでいる元夫婦と男が別れたがっているカップルが対照的に描かれ、そしてその内の妻と若い男が出会い、また別の世界に別れて行く面白さ。機会があったら観てほしい。
実はこの映画、１９８７年に作られたにっかつロマンポルノなのである。したがって中村晃子はそのかなりスレンダーなボディを惜しげもなく全開している。『進め！ジャガーズ 敵前上陸』から約２０年後の作品で、前作の時は小悪魔的な魅力であった彼女もさすがに落ち着いた雰囲気だが、また別の魅力を振りまいている。
あの当時、ロマンポルノは売れなくなったタレントの行き着く先というイメージであったが、今観ると全然落ちぶれた感じはなく、大人の男と女にスポットをあてたユニークな作品群が揃っている事に気づかされる。また機会があったらロマンポルノ作品について書いてみたいと思う。
タグ：中村晃子
へーーーー柄沢次郎が出ているんだ！ １９８１年の青春映画「無力の王」で高樹澪と共演した若手俳優さんではないですか？ その後、テレビドラマ「茜さんのお弁当」に嶋大輔や杉本哲太らと出演していましたね。現在はどうされているのでしょう？
by アンソン (2006-06-25 02:52)
アンソンさん、マニアックな情報ありがとうございます。『無力の王』は僕も観ましたが、知ってる人は相当少ないので、DVDになっていないですね。もう一度観てみたいのですが、無理でしょうかね？
by 丹下段平 (2006-06-25 11:28)