城崎温泉郷はテーマパークだった!(その1) [旅行]
気ままな旅だった。会社の同僚3人と自動車で、大雑把な予定しか立てずに日本海側を西に向かっていた。この日は三方五湖から天橋立を経て、城崎(きのさき)温泉に到着した。時間は午後7時を回っていた。
薄暗くなった街に柔らかな街灯の灯りがともっている。城崎温泉駅から温泉街の中心へと入って行くにつれ、浴衣姿の人影が増えていく。
情緒出まくってるな
と思わずもらしたのは誰だったか。とにかく進むにつれ浴衣姿で歩く宿泊客で、温泉郷は活気づいていた。
ここに泊まりたい
4人全員の意見は一致していた。とはいえ、こんな名のある温泉地に空いてる宿があるのだろうか。不安をよそに空室ありと書かれた看板があっさり見つかった。聞いてみると4人泊まれる事が分かり、即座にこの日はこの宿に決めた。今思えば実にラッキーな事に、たまたま泊まる事になったこの宿は、温泉郷のど真ん中に架かる王橋が目の前にある旅館まつやであった。
いかにも温泉宿らしい日本風3階建ての館内に入ると、部屋を用意してもらっている間に番頭さんから城崎温泉に関するレクチャーがあった。
温泉はこの旅館にもあるが、基本的には7箇所の外湯がメイン。外湯は11時まで。
外湯は城崎温泉の宿泊客は無料で入ることができる。但し無料チケットと旅館の浴衣と下駄の着用が必須。
全く下調べをしていなかった我々は、どうして浴衣姿の宿泊客が大勢歩いていたのかが、やっと理解できた。番頭さんの説明はさらに続く。
夏休み期間中の毎週火曜日と木曜日は9時から花火大会が催されている。
おお、なんとラッキー! 今日は火曜日だ! たまたま立ち寄ったにしては出来すぎだ!!
盛り上がる一同を番頭さんも誇らしげに見つめていた。間もなく部屋の用意が終わり、荷物を放り込んだらすぐに浴衣に着替え、外湯に向かった。下駄の音も軽やかに、番頭さんお薦めの、リニューアルオープンしたばかりの御所の湯へと向かった。 (つづく)
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