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「いちばんきれいな水」 [映画(2006)]

東京では中心からちょっと外れた2館でしか上映してない、見捨てられ気味のこの映画ではあるが、これが愛すべき小品で、足を伸ばした甲斐があり嬉しくなった。

谷村家は4人家族で、父、母と2人姉妹なのだが、姉・愛は病気で(病名不明)11年間眠り続けている。妹・夏美は小学校6年で12歳。当然姉が起きている姿を知らない。そんな中学受験を控えたしっかり者の妹が両親不在の数日間、突然目を覚ました姉と過ごすひと夏の物語。

姉・愛は目を覚ましたものの、眠り始めた小学校2年生(8歳)から精神的には何も成長していない。そんな姉に手を焼く、精神年齢は12歳より上の妹・夏美。盛んに遊びたがる姉を尻目に進学塾の夏期講習で忙しく、成績も抜群だが、どこか子供らしい明るさが失われている。姉は気持ちはまだ子供で部屋を散らかしたりと妹を困らせることしかしない。せっかく目を覚ました姉に対して、次第に疎ましく思うようになり、辛く当たるようになったあげく、「○○ちゃんのお姉さんなんか」と他人の姉と比較して嫌味を言う妹。その言葉に酷く傷ついた姉は…。というストーリー。

いいんだよ、これが。まさかこの映画で泣ける展開になるとは予想もできなかった。自分も妹がいるから、兄弟の(姉妹の)上の気持ちは分かる。妹が視点の映画ではあるが、姉の辛い気持ちが伝わってきて、思わず涙が…。

この映画もファンタジーの姿を借りた現実的なものを見つめた話。妹に足りなかった何かを伝える役割を姉が担っている。最後は妹の中で明らかに変わりつつある心が垣間見え嬉しい。

それにしても素晴らしいところは多いのだが、加藤ローサ演じる姉が精神年齢8歳よりも幼い行動だよな、とか気になる点も幾つかあるのだが、それをいちいち書くのは野暮ってもんで止めておこう。だって、この夏は1回だけなんだよ! (って、この夏はもう終わってるけど…)


 

それにしても、加藤ローサを映画で随分観掛けるようになった。今年僕が観た映画で3本出てた(因みに『シムソンズ』『夜のピクニック』そしてこの映画)。他にも本編は観なかったけど予告編に出てた、というケースもある。いったい彼女は今年何本出たんだろう。

他にもよく見かけるのが上野樹里。彼女の映画は今年は『笑う大天使』しか観てないけど、他にも幾つか予告編観た。

あと谷村美月。『海と夕日と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』『ユビサキから世界を』『笑う大天使』と3本観てる。他にも出たらしく、さらにこれからも出演作が数本控えてるらしい。彼女の場合、映画館で流れる『海賊版撲滅キャンペーン』のCMで黒い涙流してるから、本当にしょっちゅう観てるイメージが強い。

映画中心に仕事してる女優は親近感沸くし、応援したくなるのが映画ファンってもんでしょう。と書いてはみたものの、皆テレビにも出てるんだよな~。仕事し過ぎじゃない?

↑劇場前に展示していたサイン入りポスター 


タグ:加藤ローサ
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コメント 4

アートフル ドジャー

主流はやっぱTVなのでしょうか? その方が手っ取り早く金になるからかな~。 日本では何となく映画の位置つけがRADIOっぽくなってますよね~。TVで初めから売れれば万歳!映画のチョィやくで人気がでればそれを足がかりにって感じ~。は~っ!米国みたいに映画・TVちゃんと、それぞれの領域は確保され・・どちらの方からも尊敬されるスターが生まれる状況になって欲しい
by アートフル ドジャー (2006-10-18 16:34) 

丹下段平

昔は日本もそうでしたけど、最近はいないですね。“どちらかと言うと”映画が多いとか、“どちらかと言うと”テレビが多いとか、但し書きがつきますよね。テレビに出ないとマイナーな存在で金が儲からないし、映画に出ないと役者として箔がつかない、ってことでしょうか?
by 丹下段平 (2006-10-18 22:54) 

kaeru

立川シネマシティにて『銀河鉄道の夜』最後の舞台挨拶!
11月25日(土)初回10:00の回上映後
(登壇者)
谷村美月さん、市川男寅さん、松田洋治さん、小橋めぐみさん 、古川悦史さん、秋原正俊監督
!!ご注意下さい!!
25日10:00〜 回のチケットはネットやTELでの予約はできません。
朝9:00〜窓口にて販売開始です。
是非ご来場ください♪
by kaeru (2006-11-23 17:08) 

丹下段平

kaeruさん、貴重な情報をありがとうございます。でも立川か…っていうか『銀河鉄道の夜』もう公開しているとは知りませんでした。それにしても、立川に9:00頃に行くのは厳しいなぁ。
by 丹下段平 (2006-11-23 17:48) 

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