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「椿三十郎」(その2) [映画(2007)]

まぁ…オリジナルの黒澤版『椿三十郎』を観ているからなのだが、

言いたいことは山ほどある

けど、前の記事に書いた通りの事情(→こちら)なので、我慢我慢…

そりゃあ、黒澤版と全く同じに撮れなんてことは思ってないけど、「これはやってほしくなかった」ってのもある訳で…

あ、いかんいかん、気づいたらグチ書いてた。

正義感に燃える若侍9人が、次席家老の黒藤と国許要人竹林の汚職を告発し、その相談のため人の気配のない神社に集まっていた。そのリーダーである井坂伊織(松山ケンイチ)は叔父である家老の睦田に相談したが聞き入れられず、次に大目付の菊井に相談したところ、井坂の仲間も交えて詳しく話を聞きたいということになったのだ。その話を一夜の宿として神社で寝ていた椿三十郎(織田裕二)が偶然聞いてしまった。慌てる若侍たちであったが、三十郎の見解は大目付の菊井も怪しいということであった。実際社は菊井の懐刀である室戸半兵衛(豊川悦司)とその部下達に取り囲まれていた。隠蔽するために若侍たちを集め、一網打尽にしようと企んでいるのだ。若侍たちの味方となった三十郎は機転をきかせてその場を助けた。しかし、その間に家老の叔父が汚職の罪をなすりつけようとした菊井たちによって拉致されてしまっていた。三十郎と若侍たちは、家老を助け、悪人どもを成敗すべく立ち上がったのだが…というお話。

根本的に黒澤版はとても計算されていて、役者の表情や台詞回しのひとつひとつに意図があり意味があるのだが、その点森田版は無頓着で、ただ役者のやりたいようにさせている印象で、画面から緊張感や緊迫感があまり伝わってこな…

ああ、いかんいかん、またいつものように悪口書きそうになってしまった。

それにしても、主演の織田裕二だが、全く強そうには見えなかった。彼の個性を活かすなら三十郎に拘る必要がなかったのではないか。同じ話で別のキャラにした方がよかったと思える。それから敵役の豊川悦司はもうちょっと上手い役者かと思っていたが、仲代と比べたら…

あああ、いかんいかん、気がついたら批判になりそうになってしまった。

書けば書くほど悪口書いてしまいそうなので、ここまで!

いや、最後にもうひと押し。

『椿三十郎』面白いから観てね!

本当に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黒澤版は・・・

                                                   〈あばよ〉


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miyu

いやぁ~あたしもそのオリジナルは観ていないのですが、
リメイクを観ると大体そのオリジナル作品ってのは
チェックするタイプなので、
コレもその内必ず観ます!
そうゆう人って結構多いのかな?
だと、いいですね。
by miyu (2007-12-16 09:54) 

丹下段平

miyuさん、ありがとうございます。
せっかくですからもう一本の三十郎映画である『用心棒』も観てくださいね。
by 丹下段平 (2007-12-16 10:50) 

キキ

段平さん、こんばんは。
観ている間中、喉を掻きむしっていたんじゃないですか?(笑
再度、オリジナルを観て心を落ち着かせてくださいね。
実は私は織田裕二がちょっと苦手なんです。
それでも行こうと心に誓っていたんですが、やっぱり観ない方がいいんでしょうか。脚本はいいので面白くないわけはないんでしょうけどね。^・^;
by キキ (2007-12-17 20:48) 

丹下段平

キキさん、こんばんは。
かなり覚悟して観に行ったので、喉を掻きむしるほどではありませんでした。
正直、オリジナルを観ている人は無理して観る必要はありません(言っちゃった)。黒澤がいかに優れた監督であるかを再確認することになるだけですから。例えば合図の椿の花びらが小川を流れてくるカットだけとっても、黒澤がいかに絶妙なタイミングで流したかが分ったりする訳です。これが超一流とそうでない監督の差なのかな、と思えます。
そんな観点で観れば面白いのかな、って感じです。
by 丹下段平 (2007-12-17 22:52) 

べらくりこ

初めまして、ブログ村の白黒映画コミュから来ました、べらくりこと申します。

私も黒沢さんの映画が好きで、どれも何回も見た方なので、
織田さんの『椿三十郎』どんなものかしらと、ちょっと興味を持っております。
記事も書いたのですが、ああ、面白いですね。
男性と女性とやはり視点が違うのですね。

私も椿三十郎に関しての記事を書きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/wagokoro1/diary/200712220001/

男性と女性では女性の方が文化や考え方が大きく変わった気がするのです。
だから映画の空気・世界としてその時代になるか、現代の匂いをさせるかは
かなり女優さんにかかってくると思うのですよ。
世界の土台が現代のままだと、やはり違和感のあるむさ苦しい画面になってしまうような…
たけし監督の座頭市は現代をそのままエンタティメント要素として
ぶちこんだ、という作りで…賢かったと思います。

あれ、タップダンスを踏む場面は黒沢さんの『七人の侍』のラスト田植え歌が
元なのではと思ったのは私だけでしょうか?
by べらくりこ (2007-12-24 00:00) 

丹下段平

べらくりこさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

男性と女性の視点が違うってのは、確かにその通りなのでしょう。それは創る側にも言えると思うのですが、女性監督の作品に出てくる男のキャラクターは面白味に欠けて深さがないことが多い気がします。これは映画だけでなく少女マンガを読んでも感じることです。女性からすれば全く反対のことを思われることでしょう。映画の世界観は女優にかかっているという説も女性視点であればそう思えると思いますが、やはりどちらかではなく全員だと思えます。男性視点だと、どうしても男がより気になってしまいますから。

話し変わって、たけしの『座頭市』は観ていないので、何とも言えないのですが、黒澤を意識したんでしょうかね。そう言えば『隠し砦の三悪人』でも農民に混じって踊るシーンがありましたね。今度『座頭市』観てみます。
by 丹下段平 (2007-12-24 01:50) 

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