「グミ・チョコレート・パイン」 [映画(2008)]
僕はこの映画の主人公が劇場で観ていた自主映画『フルーツ バスケット』(当時の映画友達とは『フルバ』と略して呼んでいた)を文芸座にあった多目的劇場のル・ピリエでリアルタイムに観ている。ヒロインと一緒にオールナイト上映を観に行った石井聰亙監督の『狂い咲きサンダーロード』もロードショウで観た。こんなにも自分と体験が重なっているにも係わらず、この映画の主人公に親近感をあまり感じられず、共感して懐かしさが蘇ってこなかったのは何故なのだろうか。
原作は大槻ケンジの同名小説で、彼の青春時代の体験が反映されているらしい(読んでないので)。近い世代の彼が、昔自主映画の上映会をよく観に行っていた、というエピソードは聞いたことがあったので、『フルバ』が出てきても驚きはしなかった。この映画は今関あきよし監督によって1982年に創られた16ミリ作品で、当初は二本立てで上映された。そのもう一本は後に『メゾン・ド・ヒミコ』等を創った犬堂一心監督の『赤すいか 黄すいか』であった。今は犬堂監督の方が名は通っていると思うが、当時は今関監督の方がメインで、この『グミ・チョコレート・パイン』で使われたのも『フルバ』であったのは納得。
←チラシ
『グミ・チョコレート・パイン』は主人公の大橋賢三がヒロインである山口美甘子(黒川芽以)の死を知り、1986年にあった出来事を振り返る構成になっている。賢三(石田卓也)はクラスで一番の美人である美甘子に片思いしていたが、ある日映画館で偶然出会い、それがきっかけで映画マニアの彼女と仲良くなる、というエピソードと、彼が友人とパンクバンドを組むエピソードが柱になっている。本当に設定とか僕のストライクゾーンのはずなのに…何故かあまり感銘を受けなかったし、思い入れがない。なぜ…?
演出が下手…というのはあったかもしれない。でも内容次第ではそんなことは超越してしまいそうなものだ。
あるいは僕がパンクロックが大嫌いだったことがあるかもしれない(まぁ、今もですが)。クラッシュみたいにセンスあるパンクならいいが、下手くそで騒音を垂れ流すだけのようなパンクは最低な音楽だと思っている。その辺で主人公達に共感できなかったのかもしれない。でもなぁ…
…と、あれこれ考えてはみたが結論は出ない。中途半端な気分のまま今回の記事はこれまで。
丹下段平さん、あけましておめでとうゴザイマス。
ずいぶん以前に、コメントかいたマルコメっていうもんです。
『グミ・チョコレート・パイン』は、何回か映画館で予告編を見ましたが、予告編みただけで書かれているような印象を受けました。
というか「な~んだかな」って感じ。
パンクとクラッシュへの感じ方も同感っす。
by (2008-01-07 05:00)
マルコメさん、コメントありがとうございます。それから、あけましておめでとうございます。
何か漠然と面白くなかったんです。やっぱり主人公達に共感できなかったのが大きいかもしれませんね。
by 丹下段平 (2008-01-08 01:54)
この作品・・・気になってはいるんですっが未だ観てません・・・。
by アートフル ドジャー (2008-01-09 13:19)
時間ができたら観てください、という感じの映画です。
by 丹下段平 (2008-01-10 00:50)
観ました。人に勧めるほどの映画ではないですが
今や友人と会う約束すら携帯&ネットに頼る昨今、
当時はよくやっていたなぁと思い起こさせてくれます。
或る意味でケラの前作「1980」の続編とでも言えましょうか。
by nexus_6 (2008-01-20 17:43)
nexus_6さん、コメントありがとうございます。
確かにアナログな時代でしたね。CDじゃなくてレコードだし。
『1980』は気になっていましたが観てません。そのうちチャレンジしてみます。
by 丹下段平 (2008-01-20 18:14)