黒澤明監督の100本 [映画-雑記]
本屋の映画雑誌コーナーに立ち寄ってみたら、何故かPLAYBOYが置いてある。よく見てみたら表紙は色っぽいお姉さんではなく黒澤明監督。今時珍しいなと手に取ってみると黒澤監督特集らしく、かなりのページを割いている様子。僕は黒澤監督ファンで、関する本も随分読んだつもりでいたので、そんな目新しい記事なんてなかろうとスルーするつもりだったが、「黒澤明が選んだ100本の映画」という記事でページを捲る手が止まった。出典は自身の著『夢は天才である』という単行本らしいが、この本は持っていないし読んでいなかった。
少し読み始めたら、これが面白くって止まらなくなり、結局20年ぶりくらいに月刊プレイボーイを買ってしまった。だいたい雑誌のベスト10なんかは多数決みたいなものであまり面白くないのだが、誰がどんな映画を選んでいるのか、には興味がある。ましてや黒澤明が選んだ作品で、個々にコメントまでついている。古くは1919年の『散りゆく花』(D・W・グリフィス)から、最新は1997年の『HANA-BI』(北野武)まで選りすぐりの100本。さすがに世界の巨匠だから、そんなに変わった作品は選ばれていないし、意外な監督の作品もない。しかし読んでいく内に一監督一作品にしているのが分かり、じゃあこの監督の作品だったらどれを選んでいるのかという興味が沸いてくる。
何を選んだか以上に面白いのが一言コメント。親交のあった監督の作品にはその人と会った時のエピソードだったり、そうじゃない監督の作品にはどう良かったのかが書かれていたりと興味津々。
例えば『黄金狂時代』では「チャップリンは才能あふれる人で、ビートたけしもそんなところがある」とか、『浮草』では「成瀬巳喜男は本当に怖い人だった」とか、『アニー・ホール』では「ウディ・アレンは自分(黒澤)の映画は好きじゃないと思っていたけど、大ファンと分かって嬉しかった」とか、『となりのトトロ』では「『魔女の宅急便』観て泣いちゃった」とか面白すぎて、ついつい長い時間仕事をサボって読み更けってしまった。
選ばれていた100本の内、僕が観たことのある作品は僅かに38本。サイレント時代の作品は兎も角、ここにタイトルが挙がった作品くらいは全て観てみる価値があるのだろう(と書いておいて「無理無理」と言ってる自分もいる)。
はじめまして。私も久々に買ってしまいました。面白い特集でした。久しぶりに七人の侍やら生きるなどなど観てしまいました。
ベスト100の作品、レンタル店で置いてなかったりする作品が多く、知っているけど観た事ないという作品が多かったです。早いもので、亡くなってもう10年も経つんですね(三船さんは11年)。未だに作品は楽しいですけど。
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by Whitedog (2008-01-31 15:19)
Whitedogさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
この100本を全部観るのは不可能かもしれませんね。そこそこ新しい作品でもヨーロッパの小品はDVDになっていない映画も多そうですし、ましてやサイレントはソフト化は無理なのかもと思えます。フイルムセンターならいつか上映する可能性はあるのでしょうか?
by 丹下段平 (2008-01-31 22:14)
こんばんは。
「隠し砦の三悪人」もリメイクされるとか聞きますが黒澤監督ブームなんでしょうか。PLAYBOY、本屋さんで探してみます。
by キキ (2008-01-31 22:38)
キキさん、こんばんは。
PLAYBOYって女性は買いにくい本でしょうね。でも今月は黒澤監督のシブイ写真が表紙だから大丈夫かな?
by 丹下段平 (2008-02-01 00:33)