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「魔法にかけられて」 [映画(2008)]

この映画を観終わって劇場を出る時、前を歩いていたある母(推定35歳)娘(推定7歳)の会話が聞こえてきた。

「(かなり不満そうに)ねぇ、どうしてお姫様と王子様は〇〇しなかったの?」
「(弾んだ声で)それは、ほら、お姫様は本当の愛を知ってしまったから、王子様と〇〇しなかったのよ!」
「え~、どうして~?」
「(大きな身振り手振りで)だから、お姫様は…」

と、しばらく同じ会話が繰り返されていた。娘の沈んだ声とは対照的な、母の少し興奮しているような声が印象に残った。

王子との結婚式を目前に控えたジゼル(エイミー・アダムス)は、自分の立場が危うくなると思った王子の継母によって、おとぎの国から現代のニューヨークに送り込まれてしまった。アニメのキャラクターだったジゼルはお姫様ファッションのまま人間の姿になってブロードウェイの真ん中にあるマンホールから登場。殺伐とした街でジゼルは戸惑うばかり。困り果てていた彼女に手を差し伸べたのは弁護士の中年男とその娘。行きがかり上、彼女を彼らのアパートに泊める事になったが、朝起きてみるとビックリ。それは…というお話。

現代の大都会と浮世離れしたお姫様や王子様とのギャップが面白く、ディズニーアニメのパロディになっている前半は楽しんで観られた。後半は結構現実的な展開になっていき、アニメキャラだったジゼルもこちらの世界に染まり始める。そしてああなってこうなって、最後は一応めでたしめでたし。

でもね…恥を忍んで言えば…ちょっと切ない気分になってしまった。

最初に書いた母と娘だと、娘の気持ちの方がよく分かる気がしながら会話を聞いていた。なるべくしてならない結末に、ほろ苦さをかみ締めていた。悲しいかなお子ちゃまな俺(←オエッ)。この顛末の方が現実的なんだよ、と理解しながらも、人間らしさを身につけていくと同時に、俗物っぽくなってしまうだろうヒロインは、果たしてこれで幸せになれるのかと疑問に思いながら劇場を後にした。

それにしても前を歩いていた母親だが、あの様子だとかなりツボだったように見えたが、共感するところが大きかったのだろうか。彼女は真実の愛を見つけているのだろうか、それともまだこの映画のように見つけようとする気持ちが残っているのだろうか。いや、もしかしたらすでにその相手を見つけてしまい… (『愛ルケ』に続く?)


最後にすっかり書き忘れてしまったが、アパートを掃除するミュージカルシーンは秀逸だったと思う。(←おまけに書くなって)

魔法にかけられて.JPG
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キキ

こんにちは。
観たかったんですけど、色々と忙しくやっと観てきました。
王子役の方が大好きな私、あの笑顔にご満悦で帰ってまいりました。
素敵です。
私ならおとぎの国に帰ります!!
そして毎日ゴキブリやハエじゃなくて
小鳥や動物に掃除洗濯させます!←・・・ちょっと違うかしら?
by キキ (2008-04-20 11:06) 

丹下段平

ゴキブリ、ハエ、ネズミのような嫌われ者でもディズニーにかかれば立派なミュージカルの脇役になるところが面白かったですね。あのくらい働いてくれるのなら、人間とも上手くやっていけるのでしょうけど。
by 丹下段平 (2008-04-20 20:28) 

ジジョ

こんにちは〜☆
わたしもこの映画、結構ツボでした。
大人になった、、ってコトでしょうか??
わたしがジゼルの友達だったら「あの王子はやめとけ」って
言いますよ、、、きっと。。
by ジジョ (2008-05-13 00:28) 

丹下段平

ジジョさんは立派な大人です!?

いや、確かにあの王子はこちらの世界では役立たずですが、アニメの世界ではそこそこじゃないでしょうか。逆に弁護士がアニメの世界に入ってしまったら大したことないのかも(何でそんなに王子に肩入れしなきゃならない?)。
by 丹下段平 (2008-05-13 02:27) 

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