「スパイダーウィックの謎」 [映画(2008)]
この『スパイダーウィックの謎』は典型的なファンタジーの要素を集めて構成された、目新しさは感じられないが安定感のある好感の持てる作品になっている。典型的な要素とは「屋根裏の秘密の部屋」「封印された書物」「深い森」「秘密を解明したまま失踪した祖父」「呪文」「ゴブリン」「妖精」等々このジャンルでは定番のアイテム満載である。
そして主人公は少年じゃないといけない。もちろんこの作品の主人公も少年。しかも演じているのは子役とは思えない演技派のフレディ・ハイモア。観ている内に昨年観た彼の出演作『アーサーとミニモイの不思議な国』の記憶が蘇ってきて、この作品と交じり合い、2本でひとつの壮大なファンタジーであるかのように錯覚してしまった。かなりこの2本は要素的に似通ったところがあり、創り手の狙いは近いものがある作品同士である。もちろんこの2本は別物で、フレディ・ハイモアは『スパイダーウィックの謎』では双子の兄弟を一人二役で演じ分ける芸達者振りを見せてくれている。物語については、上に挙げた鍵括弧のキーワードを繋ぎ合わせれば何となく内容が想像できるのではなかろうか。そんな話なのである。
それにしてもチラリとしか出番が無かったが、随分久しぶりにアンドリュー・マッカーシーを見られて嬉しかった。『セント・エルモス・ファイアー 』『マネキン』の頃はよく映画に出演していたのだが、今回何年ぶりに見たのであろうか。永らくご無沙汰だった旧友に会ったような印象である。それとエンディングのクレジットで脚本を担当していることが分かったジョン・セイルズ。こちらも久しぶりに目にした名前。一時期はインディーズ系の映画監督としてもてはやされたが、久しく見かけなくなっていた。ちょっと年季が入った映画ファンには懐かしい気分にもさせてくれる作品である。
旧友に会えた気持ちわかりますね。
by ばん (2008-05-22 07:23)
ばんさんコメントありがとうございます。
最近、以前はよく見た役者が出ている映画が多くて、それだけで懐かしさもあり、作品の印象がアップしています。
by 丹下段平 (2008-05-23 07:32)
この頃ファンタジー物、こっれ!って言うのに当たってないんっで観てみます。
by アートフル ドジャー (2008-05-27 10:55)
アートさん、いつもありがとうございます。
そんな派手さはありませんが、逆に浮ついたところのない堅実でしっかりとした作品になっていると思います。
by 丹下段平 (2008-05-29 00:26)