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「僕の大事なコレクション」 [映画(2006)]

 

なかなか難しい映画である。それはストーリーではなく、この映画が

『ユダヤ人のユダヤ人によるユダヤ人のための映画』だからだ。

ストーリーは家族のものは何でもコレクションし、自分の部屋の壁一面に貼り付けている変わり者のユダヤ系アメリカ人の青年(イライジャ・ウッド)が、死ぬ間際の祖母から祖父と見知らぬ女性が写っている古い写真を受け取り、その女性が祖父の恩人と知り、その女性に会いたいがためにウクライナに出掛ける。そこに待っていたのが案内兼通訳のアメリカかぶれの青年と運転手の青年の祖父と凶暴そうな飼い犬。

まぁ、ここからロードムービーとなり、文化のずれや習慣の違いを織り交ぜて変人3人と1匹が旅をしていく様子を軽いコメディタッチで見せていく、結構僕の好きなタイプの映画なのだが、やがて目的地が近くなるにつれ、第二次世界大戦の名残などが出てきて笑いが少なくなっていく。

結局大戦中のユダヤ人狩りや大量虐殺の話になっていき、意外や意外の展開が待っているのだが、そこから先は映画を観てもらいたい。

で、何が難しいかというと、ユダヤ系の人々の歴史であったり、風習であったり、小道具の意味が理解できなかったり、現在の世界でのユダヤ系の人々の置かれている立場が理解できないとこの映画を完全に理解することは困難だからだ。ちなみに僕には難しかった。それ程の知識はない。ウッディ・アレンのようにラブストーリー仕立てにするとか、よく分かんないけどやけに自虐的だぞ、とかあればその部分で楽しめるのだが、残念ながらこの作品には無いので変人3人の道中のやり取りを楽しむしかない。いや、その部分は充分に楽しめるのだが、だんだん辛くなっていくので、観終わった時にはちょっと置いてきぼりになった気分だ。

この映画の良いところは3人の役者が変人振りを楽しませてくれる演技に尽きる。主人公だけでも充分変人だが、ガイド兼通訳のウクライナの青年がこれまた変人。そしてその祖父もこれまた変わった人物で、その部分は秀逸。

ちょっと変わった映画が好きな方は観る価値があると思う。

 


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コメント 1

ももも

TBありがとうございます☆

段平さんの言うように、「ユダヤ人向け映画」という感じでしたね。でも、本当のユダヤ映画となるともって宗教臭くなると思います。そう言う点から見れば、この作品はユダヤ系アメリカ人からみた「ユダヤ映画」とという感じに私は見えました。甘すぎずいい映画だなーと感じました。
by ももも (2006-09-28 09:57) 

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