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「楽日」 [映画(2006)]

2003年ヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した台湾映画『楽日』、原題は『不散』。

ストーリーはない、に等しい。人が数える程しか入っていない大きな古い映画館で、1回の上映中に起こる出来事を、長回しでダラダラ撮っただけの作品である。出来事と書いたが、実は殆ど出来事などなく、映画の大半は映画を観ている人をただ撮っていたり、劇場係りの足の不自由な女性がゆっくりと階段を上がったりするのを、カメラを回しっぱなしにしただけの作品である。このように書くと身も蓋もないのだが、僕にとっては殆どが無駄な時間に思え、映画としては短い82分間はとても長く感じられた。

でも、こんな映画が評論家受けするんだよな~。カメラの長回しってそんなに凄い事なの? 長回しするだけで芸術度アップ…って、何か間違ってるような気がするんだけど。別に悪いとは思わないし、テクニックの一つではあるんだけど、それが全編、何も起こらないような事で使うのって、やっぱり間違ってると思うんだけど。これだから映画祭の受賞作品って信用できない。

まぁ、こんな感じだから『グエムル』で戦い、勝利した睡魔と、またまた対決。今回は僕の負け。5分くらいやっちまった。でもスクリーンは殆ど同じ状況で、何の支障もなし。

このように古く大きな映画館の日常が映し出され、映画の上映が終わり、誰もいなくなった劇場を約5分間見せられた後、今度は劇場の前に場面は移る。そこに「しばらく休館します」と張り紙。そこで観客(『楽日』の)はこの劇場にとってその日が特別な日であることを知る、

ってのが、作り手の意図じゃないの~!? 邦題からしてネタバレだし、チラシにも書いてあるし、駄目でしょ、それじゃ。最後にそれを見せたかったんじゃないの~ツァイ・ミンリャン監督は。教えちゃ感動(しないけど)半分でしょ。本当に配給会社にはデリカシーが感じられない。

この映画の舞台になったのは、台北にあった福和大戯院で、撮影後実際に取り壊しになり、すでにもう無いらしい。日本でも古い映画館はどんどん閉館になって、シネコンに変わりつつある。特に僕のホームグラウンド(?)新宿も、だいぶ映画館が減ってしまった。まぁ、建て替えて復活する所もあるそうなので、新しく環境の良い映画館ができる事を期待したい。


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雅人

君はただドラマ映画しか知らない、それを映画と呼んでいたのかも知れないね。
一枚の写真を集めた写真集を買う習慣のない日本人。娯楽は少年ジャンプ。

そんな人にはむかないだろう。なんせ、日本に未だかつて無い映画だからだ。

何にもない空っぽの大傑作。これが楽日だ。だからいいのだ。
映画はいろんな可能性をもっている。
もっと映画がわかるようになってからブログを書いてほしい
by 雅人 (2006-10-09 00:26) 

丹下段平

雅人さん、はっきりいって何を言ってるんだかよく分かりません。『楽日』のどこが良かったのか、書いてありませんね。それに映画を知り尽くしたかのような貴方のブログのリンクもありませんね。これでは貴方の映画評を知ることすらできません。
安全なところに身を置いて、上から見下ろすような物言いをする卑怯者、それが貴方です。
by 丹下段平 (2006-10-09 01:19) 

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