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「あなたにも書ける恋愛小説」 [映画-DVD]

あなたにも書ける恋愛小説1980年代、僕はロブ・ライナー監督作品の虜だった。『シュア・シング』『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』はどれも大好きな作品。特にロブ・ライナー自身の体験が元になっているかのような『シュア・シング』と『恋人たちの予感』は格別。どちらもちょっと変人とも思える主人公たちの恋愛模様。男も女も不器用なうえに変なこだわりがあって、それが笑えると同時に共感を生む。

そんなロブ・ライナーも『ミザリー』を最後に急に魅力を失う。その後の作品は観たいと思わせるものがなく、僕としてはすっかりご無沙汰の監督になってしまった。いや、役者としてウディ・アレンの『ブロードウェイと銃弾』に出ていたっけ。でも接点はそれだけ。この『あなたにも書ける恋愛小説』で随分お久しぶりのご対面と相成った。

多額の借金を抱える作家のアレックス(ルーク・ウィルソン)。ヤバいところから借りてしまったため、30日以内に返さないと殺すと脅されて、慌てて1ヶ月で作品を仕上げ、そのギャラで返済しようと決める。しかし借金取りにパソコンを壊されてしまったため、口述筆記しようと速記係を依頼する。訪れてきたのはエマ(ケイト・ハドソン)であったが、弁護士事務所と偽って依頼したため、アレックスは怪しまれて、エマは帰ろうとする。引き止めようとするアレックスだったが…というのが話の導入。

この後、当然であるがエマはアレックスの小説の口述筆記を引き受ける。エマとアレックスの話と並行して口述筆記される小説の内容がケイト・ハドソンとルーク・ウィルソンに加えてソフィー・マルソーによって演じられる。内容は少し昔の時代の三角関係がもつれる物語。

こんな二重構造のお話で、いかにも面白くなりそうなのだが…あまり面白くなかった。2つの物語夫々が結局薄い内容になってしまっているし、工夫もあまりなく盛り上がらない。通常の映画の枠で2つの物語を語ろうとしているのだから、あまり凝った展開もできずあっさり味。観ている最中、作家の話とその書いている物語が同時進行する映画ってあったよな、と思い出したのが『おかしなおかしな大冒険』。残念ながら(?)あっちの方がずっと面白かった(詳しくは書かないけど)。

それにしてもロブ・ライナー監督作品を久しぶりに観たのに、がっかりしてしまった。一番得意なジャンルのはずだったのに…。悲しいかなひとつ痛感した。それは

才能は枯渇する

ってこと。何だか淋しくなって薄ら寒さが身に凍みて風邪をひいてしまった。


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