「イースタン・プロミス」 [映画(2008)]
『イースタン・プロミス』のデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品は『スキャナーズ』から劇場で観ている。その前に撮った『ラビッド』もテレ東が昼間に放映した時に観ているので、随分長い間の付き合いではある。しかし、残念ながらクローネンバーグの映画を好きになったことは一度もない。『スキャナーズ』の頭ドカンから刺激的な映像表現に惹かれて、ついつい観てしまうのだが、いつも「クローネンバーグとは相性良くないな」と思ってしまう。
クローネンバーグの作品を観る度に感じるのは(上手くは表現できないのだが)、登場人物に対する冷淡な視点。突き放したような距離感に人間味を感じられない気がしている。だから僕は勝手に
クローネンバーグは理系の人
だと決めつけている。表情ひとつ変えずに生物を解剖していく、みたいな人のイメージを持っている。初期の作品から最新のこの作品まで、登場人物は痛々しい目に遭うことが多いのだが、痛々しいカットをしっかり映す。傷口がパックリ開いて血がドクドク、なんて場面を実にリアルに見せてくれる(見たくないんだよ、ホントは!)。だから彼の場合は初期から今まで作家性が崩れていない。ジャンルがSFじゃなくなったくらいなもの。これはこれで凄いことで、頑固な職人って感じもする。
この『イースタン・プロミス』も観ているこちらまで痛くなるようなシーンは健在。冒頭の『スウィーニートッド』みたいな理髪店での殺人事件や死体の指を切断する場面はリアルにしっかり見せる。だけどクローネンバーグだとB級っぽく思えないのは人徳(?)なのだろうか。ロンドンに巣食うロシア系マフィアを描いた『イースタン・プロミス』はダークな世界観に引きずり込まれる快作になっている。
でも、僕は苦手だけどね(←本音)
こんばんは。
わたしも、結構目をつぶっていたシ-ンが多かったです。
でも、おもしろいと思いました。ナオミ・ワッツがきれいでした。
彼女の存在が、この映画にある種の温かみを加えてくれていたような
気がします。
しかし、あの刺青はすごかったですね。「色んな柄を入れてます。」↑には
参りました!(^^)
TBさせていただきますね。
by coco030705 (2008-07-19 02:47)
ココさん、ありがとうございます。
ナオミ・ワッツは良かったですね。クローネンバーグの割には(?)後味も悪くなかったし、決して嫌いじゃないです。
刺青は日本のものと西洋とでは随分違いがありますね。凄くいっぱい入れていて見本市みたいでした。
by 丹下段平 (2008-07-19 13:15)