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「同窓会」 [映画(2008)]

同窓会チラシ.jpg映画プロデューサーの南(宅間孝行)は若手女優と不倫関係にあり、妻の雪(永作博美)に離婚を持ちかけるとあっさり承諾される。南は若手女優と同居を始めるが、すぐに次の作品のロケの手配のため故郷の長崎県島原市に向う。母校や実家に立ち寄った南は、高校時代のことを思い出す。それは片思いだった雪との甘酸っぱい出来事の数々。あれほど恋焦がれた雪だったのに…。そんな中、雪の親友で高校の同級生だったえり(鈴木砂羽)から連絡が入る。雪の体に異変が起こり入院し、どうも深刻な状況であるらしい、と。動揺する南に追い討ちをかけるように自分の会社に危機が迫っていることを知るが、雪への想いで仕事に専念できない。南は雪が高校時代から今に至るまで自分より好きだったはずの中垣を探し始め、同窓会を開いて雪と中垣を会わせてあげようと奔走するのだが…というお話。

以前記事にした大林宣彦監督作品の『なごり雪』(→こちら)でベンガルが演じた役を主人公にしたような物語で、とってもいい話だった、途中までは。でも、よりによってクライマックスで「おいっ、そりゃないだろう」的なオチに

ぐぁ~~~~~っくり。

切ない展開にウルウルしていて、あとひと押しされたら号泣必至だったし、斜め前に座ってたオジサンは既に涙を拭ってる状況で、あんな安直で小ネタなオチはないだろう、と言いたい。コントの決めにかかる「チャン、チャン」ってのが聴こえてきそうだった。僕もいろんな映画を観てきたけど、最後の最後でこれ程までに急降下した作品も珍しい。こんな話にウルウルしたり泣いたりした自分が恥ずかしい。多分斜め前のオジサンも同じ気持ちだったろうことは間違いないし、僕より泣いていた分、更に恥ずかしかったことだろう。何だかこちらの気持ちをいいように弄ばれたような感じで、すっごく不愉快。しかし強度の脱力感で、怒る気力も失せてしまった。

いや、前半は「その」可能性もあるんじゃないかとは多少は思っていた。だけど幾らなんでもこんな小ネタでずっと引っ張りはしないだろうし、そんな映画をオジャンにするような馬鹿な真似はしないだろうと、途中で「その」可能性は捨てて物語にのめり込んだのだが…最後の最後で「それ」かい…と、クドイくらいに拘ってしまったけど、夢オチに匹敵するくらい(それ以上?)の脱力感である。

それにしても役者は良かった。出番は案外少ないけど、永作博美は今回も自然体な感じが素敵で、彼女が出ると映画がワンランク上がるような印象を受けた。それから彼女の高校時代を演じた尾高杏奈が爽やかで、いかにも「初恋の君」に相応しい魅力的な少女ぶり。回想における彼女の比重が映画全体の多くを担っており、それだからこそ切ない作品になるはずだったのに…と悔やまれてならない。主演の南を演じたのは宅間孝行。監督・脚本のサタケミキオは彼のペンネーム。つまりひとり3役の奮闘だったのだが、不愉快なのでそれ以上は触れないでおく。

それにしても悔やまれる作品である。もっともオチがなくても画像が荒くて安っぽく見えるのはいただけなかったが、話の良さがカバーしてたので好感を持っていたんだけど、何なんだよあのオチはっ! (エンドレスになりそうなので、これでお終い)

同窓会.JPG


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ばん

永作博美さん
いい女優になりましたね。多分テレビドラマでも「青い鳥」でいい演技を見せてた記憶があります。頑張って貰いたい女優の一人です。
by ばん (2008-08-20 17:45) 

丹下段平

永作さんは中堅~ベテラン女優で今一番ノッてる人だと思います。テレビドラマは滅多に観ないので、『青い鳥』は未見ですけど…。
by 丹下段平 (2008-08-20 22:18) 

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