「崖の上のポニョ」 [映画(2008)]
まぁ、公開が始まってひと月以上経った今頃観たわけです。何しろ混んでいる映画館が嫌いなモンで、夏休みが終わって子供がいなくなった時期を狙ったために、「何を今さら」なタイミングになってしまった。大ヒット映画なので、僕の周りでも既に観た人は多数いる。数人にどうだったか、感想をサクッと聞いてみた。何でも「良かった」と言うM嬢やN嬢は置いといて、気になった意見がふたつ。会社の同僚で才媛の誉れ高いK女史曰く「分らないところがあったので、もう一度観てから言います」とのこと。そして長年の映画の友Oさんは「う~ん…フェリーニ…」
な、なんなのこの反応は? 難解ってこと?
多くのブログでの反応も千差万別、賛否両論。これは相当気合を入れて、体調も整えて観ないと負けだ、と緊張しながら劇場に向ったのだったが…
(まぁ、今さらネタバレでもないんだけどね。あらすじの紹介はいらないでしょ?)
現実的な設定をシュールなファンタジーが大波のように飲み込んだかのような作品。観始めてすぐ、先の二名の感想が的を射ているような気がした。でもすぐに謎解きのような観方を捨て、あまり難しいことを考えずに、宮崎駿監督の溢れ出るバイタリティに満ちたイマジネーションの世界に素直に身を委ねることに決め、人間であることの素晴らしさ、力強さ、愛の深さに打ち震えることができた。そんな素直な気持ちでスクリーンに向っていると、別に泣かせる映画ではないのに涙が溢れてきた。心の奥に隠れていたものが見つかったかのような不思議な感情。主人公の幼児たちの素直な感情に心が洗われる。しかし、確かにOさんの言う通りフェリーニ的なクセのある作品なので、戸惑った観客もいたのかもしれない。でもこじんまりした辻褄の合った作品にするよりも芸術的なパッションをそのままに、勢いを重視した作品の方がよっぽど力があることを教えてくれている。
それにしても主役の宗介の母のリサって、この映画の中で一番只者じゃないと思えた。あのアグレッシブな行動、魚のポニョが人間になって戻ってきても不思議と思わずすぐに受け入れたあの態度、嵐で夫と連絡が取れなくなっても動じない腹の据わりかた、ストレートな愛情表現、ポニョの母親グランマンマーレと二人っきりで交わした長い会話。そこで僕の中にひとつの疑惑が浮かんできた。
実はリサも昔ポニョだった!?
なんて思えてきた。この謎解きはDVDが出たら観直してみて解明したい。
多分他にも見落したナゾカケが散りばめられていたんだろう。K嬢が言う通りもう一度見直してみないとね。
僕は観てないので分かりませんが段平さんが涙すると云う事は良かったのでしょうね。僕は何もいいません、「鬼の目に涙」なんて・・・
by ばん (2008-09-07 17:03)
最近は確実に涙脆くなっています。箸が転がっても泣く世代に入ってしまったようです。
でも、映画は良かったと思います。
by 丹下段平 (2008-09-08 01:36)
お久しぶりでござんす。「ポニョ」。私も泣きました。理由が分からず、悲しくもないのに、涙がこぼれること数回。ポニョが波の上を走るところ。そしてラストの歌が流れるところ。あと、いくつかのシーンでも。何なのでしょうか?あれは? 「2001年宇宙の旅」以来の衝撃でした。「なんじゃこれは!」という感じ。というと友人は「それ皮肉?」といいますが、マジです。
by アンソン (2008-09-08 03:40)
リサ=昔はポニョ?説、正しいと思います(笑)
普通に育ってきたお嬢さんが、
あんなに素晴らしい運転技術を持ってるわけ、ないし(笑)
評論は賛否ありましたが、私も「観て良かった」と思いましたよ。
隣のちびがちょろちょろしなければもっと良かったけど。
by ときソラ (2008-09-08 22:42)
アンソンさん、お久しぶりです。もうご覧頂いていないかと思っていましたが、嬉しいです。
『ポニョ』は不思議と泣けてしまいました。魔力のある映画ですね。僕もマジにそう思ってます。
by 丹下段平 (2008-09-09 01:22)
ときソラさん、nice!&コメントありがとうございます。
まぁ、いろんな解釈ができる映画なので、観終わってからあれこれ考えたりするのも面白いものですね。リサ=ポニョ説はまだ仮定ではありますが、DVDが出たら観直して解明したいと思ってます。
by 丹下段平 (2008-09-09 01:26)