「フロスト✕ニクソン」 [映画（2009）]
すっかり悪役人気が定着した感のある（？）ニクソン元大統領。この『フロスト✕ニクソン』は、ニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚した後で初めて行ったデビッド・フロストとの伝説的なインタビュー番組の舞台裏を舞台化し、さらにそれを映画化したものである。
1974年、ウォーターゲート事件の黒幕だったリチャード・ニクソン大統領（フランク・ランジェラ）が失脚。ニクソンは怒るアメリカ国民に謝罪せずにホワイトハウスを後にした。一方、そんなニクソンに目をつけたデビッド・フロスト（マイケル・シーン）。彼は母国のイギリスとオーストラリアにレギュラーのバラエティ番組を持つ人気司会者。しかし以前はアメリカでも活躍していたが、人気が落ちたためにアメリカから撤退した苦い過去を持つ。そんなフロストは再度アメリカでの成功を夢見て、誰も成しえていないニクソンへのインタビューを申し込む。ニクソンも政界への復帰を狙っており、提示された高額の出演料に加え、インタビューで自分のペースに持ち込めば人気回復になると企み、この申し出を受けることになった。果たしてフロストはニクソンを追及して謝罪を引き出せるのか。はたまたニクソンは自身のイメージを回復する内容に持ち込めるのか。いよいよ後に伝説となるテレビ番組の収録が始まった…というお話。
実はウォーターゲート事件後にこんなことが実際にあったとは全く知らなかった。内容の紹介で「伝説の」なんて書いたものの、正直なところどれだけの意義があったのか実感が湧かない。大物悪役レスラーに挑んだ前座レスラーが思わぬ健闘を見せたといった受け止められ方だったのだろうか。
しかし、知らなかったとはいえ…
面白かった！
これ以上ない大物の悪役であるニクソン。対するはイギリス人で軽妙なトークの司会者フロスト。フロストはプレイボーイで、何となく雰囲気がリアルにしたオースティン・パワーズみたいで可笑しい。この二人を演じたフランク・ランジェラとマイケル・シーンは舞台でも同じ役を演じており、堂々たる名演ぶり。彼らを取り巻くブレーンたちも素晴らしい演技で、特にニクソンの腹心役のケビン・ベーコンの渋いこと！
こんな映画にしやすそうでしにくい題材を面白く仕上げた監督のロン・ハワードはさすがの演出力。政治に関心がなくても楽しめる作品になっているのでご安心を。
見ました＾＾
新聞の映画紹介記事では「フロスト役は他の人でも良かった」って書いてありましたが、私としてはマイケル・シーン氏 名演だと思います。
ある年代以上の人、米国の人にとってはこのインタビューは有名な話らしいのですが、私も知りませんでした。
フロストが正義感からこのインタビューを進めて行ったのではなく、段取りが進むに並行して彼も追い詰められていたので観る側としても手に汗握って（古い表現・・・ｗ）しまいました
by マヌカン☆ (2009-04-06 08:57)
観ませんでした。ツタヤに置いてあるかな？。
by ばん (2009-04-06 09:08)
マヌカンさんがおっしゃってるように、最初のフロイトの意図が最後変わりますが
最終的に本気モードに変わるあたりの演じ分けが素晴らしく
マイケル・シーンにもいつか、是非オスカーをと思いました。
すごく楽しめたというか面白かったです。
ケヴィン・ベーコンも抑えた演技で普通でよかったー
by コッスン (2009-04-06 21:20)
こんばんは。
＞リアルにしたオースティン・パワーズ
常に笑顔で、本当にそんな感じでした。
それは別にして、とても見応えのある映画でした。
by hash (2009-04-07 01:07)
マヌカン☆さん、こんばんは。
マイケル・シーンの演技は素晴らしかったと僕も思います。演じている感じがしないくらいにフロストになりきっていました。「他の人でもよかった」なんて書いた記者の見る目がないのでしょう。
by 丹下段平 (2009-04-07 02:12)
ばんさん、この映画は現在劇場で公開中です。なのでツタヤに並ぶのは相当先だと思います。
by 丹下段平 (2009-04-07 02:14)
コッスンさん、こんばんは。
マイケル・シーンって他では観たことがなかったので、どんな役者なのかはこの作品でしか知りませんが、素晴らしい役者だと思えるので、今後の活躍も楽しみです。
by 丹下段平 (2009-04-07 02:18)
hashさん、こんばんは。
ホントに期待を上回る見応えある映画でした。
キザなイギリス人はみんなオースティン・パワーズっぽくなるのかもしれませんね。
by 丹下段平 (2009-04-07 02:23)
こんばんはぁ、(^^)/
私も以前、感想に書いたのですが
色々な意味で考えさせられる映画でした。
映画の面白さ以上に、監督の作品に対する
立ち位置が、さすがだと思いました。
by よーじっく (2009-10-13 22:45)
アメリカ的な政治ショーなのに主役はイギリス人ってのがひと癖あって、またさらに面白かったですね（事実なんですけど）。どちらにも感情的にならず的確に演出したロン・ハワードの手腕が見事でした。
by 丹下段平 (2009-10-14 01:20)