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「初恋」 [映画(2006)]

予告編やチラシを見て面白そうだなと期待して観に行ったのだが、ちょっと残念な出来であった。

1968年にあった3億円事件を題材にしているのだが、幸か不幸か、その時代をかろうじて知っているので、あれ程の事件がこんなにも容易く、軽々と扱われていることに違和感を感じてしまった。実行犯の女の子はまるで雨の日にコンビニの店先からビニール傘を盗んだ位のプレッシャーしか感じなかったかのようだった。

あの事件ってこんなもの?

世間の騒ぎ方は半端じゃなかったし、もっと精神的に追い詰められたりしたんじゃないのかなと思うのだが、そんなところは全く描かれていない。

むしろこの映画は事件そのものよりも、主人公の女の子の孤独であるとか、恋とか内面的な部分を描きたかったのだろうが、3億円事件が絡むことで、かえって重要な部分が希薄になったのではないだろうか。もっと普通の事件の方がしっくりいったと思う。

また、彼女が出入りするジャズ喫茶の仲間達の描き方が雑だったため、最後に『アメリカングラフィティ』のような“その後”のクレジットが活かされていない。脇キャラはどうでもいい存在になってしまったのも残念。

これだけ面白くなる要素が多い映画なのに、全てにおいて中途半端な印象。残念。

 


タグ:宮﨑あおい
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コメント 6

アンソン

 宮崎あおいのお兄さんを演じたのは、彼女の実の兄。大林宣彦監督の「理由」でも、兄妹を演じていました。今回は2回目の共演。その「初恋」を見ようと日曜日にでかけたのですが、満員で立ち見! 未だに見ていません。でも、この批評を読むと期待薄のようですね?

 ちなみに今発売中の「日経エンタテイメント」で、第2の宮崎あおいと評価されているのが、以前、このブログで紹介されていた「カナリア」の谷村美月。 最近放送された「マチベン
」でも沢田研二や江角マキコの存在がかすむくらいの存在感でしたね? 丹下さん。売れ線の先取り。早いですね?
by アンソン (2006-07-04 19:05) 

丹下段平

『初恋』を観た時、近くの女の子は映画が終わった時泣いてたので、必ずしも僕の意見が正しいのか分かりませんが、無理して観る事はないと思います。
谷村美月を始め、最近の若手の女優さんは才能ある子が多いですね。堀北真希、上野樹里はブレイクしましたが、多部未華子、香椎由宇、佐津川愛美あたりも注目してます。あと少し年齢は上ですが真木よう子がいいと思ってます! ってか好み。
by 丹下段平 (2006-07-04 23:07) 

アンソン

 なるほど。さすが丹下さん。いい子を注目していますね? 。ただ、香椎由宇は疑問。「ローレライ」「リンダリンダリンダ」「デスノート」と1本調子ではないですか? あと、先日のブログで取り上げていた「我輩は主婦である」の斉藤由貴の娘役の女の子もいいですね。ブレイクしそう! アレ?
by アンソン (2006-07-04 23:58) 

丹下段平

香椎は演技云々と言うより雰囲気がいいなと思ってます。もう少し年取ったらフイルムノアール的な作品で、是非悪役をやってほしいなと思ってます。
「我輩は主婦である」は2回目までしか観てないので、また違うところで観られたら注目してみます。
by 丹下段平 (2006-07-05 01:20) 

アンソン

 ようやく、見ました。最低でした。丹下さんの言う通りです。この監督、何をやりたくて、この映画を作ったのでしょう?  面白くなる要素がたくさんあるのに、全てを駄目にしています。
 復活しつつある邦画で、ここまで駄目な映画は最近は珍しいです!!! 今後は丹下さんの「あしたのために その1」を守って映画を選ぶようにします。
by アンソン (2006-07-18 02:43) 

丹下段平

6月1日に書いた記事の映画はもっと酷かったですよ。それに比べればこちらはまだましかも。
by 丹下段平 (2006-07-18 23:01) 

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